大阪ぽっぽ会 会員・ Grampsの山行

岩登り、縦走を中心に春夏秋冬楽しんでいます。

ペルーアンデス (その1)  

高度順化に失敗した話(でも楽しかったです)  大阪ぽっぽ会  Gramps

期間: 2005.06.24~07.14

今年の5月連休に岳沢コブ尾根でひょんなことでMさんと知り合い(実際にはその時にはお会いしていませんが)になったことでペルーに行くことになりました。特にどこの山に登りたいという気持もなくワスカランにと決めて出発。

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                深くて広いイシンカ谷(6月29日)

6月24日:

伊丹13:14→成田14:30、18:30→ダラス15:35、19:00→リマ2:00

成田からの便が遅れているため、ダラス乗換えのリマ行き16:45はとても間にあいそうもなかったが、
幸運にもリマ行きも2時間遅れのため十分に間に合いほっとする。

6月25日:

ホテル3:00、8:15→バスターミナル8:30、10:00→ワラス18:00

2時間半遅れの深夜2時リマ空港に到着するも飛行機のドアが開かず40分待たされる。
2世のWa辺さんという方(守口のM下電気からの帰り)に機内から空港までお世話になる。

我々はチェック赤のサインで荷物を検査機に通すも当然OKになったが、
何故かWa辺さんは引っかかってしまって全数検査。

もし迎えが来ていなかったら勝手にタクシーに乗らないよう彼の忠告。
幸いにも迎えがきていたので彼にお礼を言って宿泊のホテルに向かう。

4時から6時半までの仮眠後朝食を取り、
たまたま宿泊中のH岡ガイド(Saka原さんの友人)にお会いする。

現地ガイドの奮闘の末ワスカランに登ったが南峰は断念したとか。
彼のお話を聞いていてやはり高度順化を兼ねながらのワスカラン登頂は難しいことが分かる。

トクヤラフ峰を登って高度順化をしてからワスカランに登る計画に変更する。
そして慌しくワラスに向かうべくバス停留所に向かう。

ワラスにてM井さんのお出迎えを受け、ホテルEに向かう。
夕食後今後の計画を打ち合わせして部屋に戻る。

高度3050mのこのホテルで明日の用意をして風呂に入ったころより頭痛がしだし眠れず。
1時間ごとにトイレに行く。

それでも1時から3時半位までは眠ったようだがその後はまた眠れず。
6時15分起床。

6月26日:チュルップ湖(高度順応)

朝食7:00、出発7:30→ピーテック8:40、9:40~滝(4330m)12:50~チュルップ湖12:55、13:55~バンガロー15:30、17:00→ホテル18:00

出発するころには頭痛少し楽になる。
タクシーで行動食を仕入れてピーテックに(高度4000m位か)。

ここで1時間ほど過ごし登りはじめる。ゆっくりゆっくり登り高度順化に努める。
4450mのチュルップ湖は静かな素晴らしいところである。

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チュルップ湖

高度順化に来た人たちが2~3パーティーいた。
バンガローでパチャマンカパーティーをしてくれるということで待ってくれているので30分の滞在で下山開始。

バンガローについたころより再び頭痛が始まる。
出来上がった料理も殆ど口つかずでホテルに帰る。頭痛が激しくなる。

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山荘の前(M井さん)

葛根湯、生姜湯を飲んで頭を冷やして早々に横になる。
寝て1時間の間に4回もトイレに行く。

22時から2時半まで眠れたがその後眠れず後頭部の痛みと共に首筋も凝ってきた。
アンメルツを塗ったら少し楽になった。

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小屋の窓から見た風景

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東京の人たちとM井さん(山荘の食堂にて)

6月27日:パストルーリ氷河(高度順応)

ホテル7:30→駐車場9:45、10:15~氷河12:10、13:30~駐車場15:00→ホテル17:30

6時起床するもふらつきの状態(快便)。
ふらつきながら朝食。朝食後下痢。

今日も行動食を買って迎えに来たタクシーでパストルーリーの駐車場へ(4160m)。
駐車場で30分過ごし、体調が良くないのでできる限りゆっくり登る。

5000mの氷河地点で1時間半過ごし下山開始。
頭痛は相変わらずで背筋の痛みも加わってきた。
がホテルに着くころには痛みも少し和らいできた。

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トップロープでアイスクライミングの練習をしていました

食欲は依然なく行動食も殆ど食べていない。
夕食は食べやすい中華を求めて入った店もメニューがさっぱり分からず

注文したのはタンメンみたいなもので具沢山あったが食欲が無くスープと野菜を少し食べただけで多くを残してしまった。(21時下痢)。頭痛少し和らぐ。

25日、26日、27日と頭痛がしているのに休養もせずにそのうち治ると信じて動いたことが後に大きく影響したと思われる。

6月28日:休養日とトクヤラフへの準備

6時起床、7時朝食。11時にM井さん、ガイドのC氏来るのでそれまでに明日の準備を済ましておく。
打ち合わせ後昼食に出かける。

帰って1時間ほど仮眠した後必要品を買い増しに出てその足で夕食を済ませる。
今日も下痢が続き夕食も殆ど食べられず。

ホテルに帰ってパンを食べる。
初めて整腸剤のクラリットを飲んで寝る。

6月29日:トクヤラフに向けて出発

5:30分起床、6:30朝食、7:10出発→コロン(3360m)8:10、8:25~入園11:50~BC(4280m)14:30

イシンカ谷を詰めていく。
谷といっても日本の谷とはおよそイメージの違う大きな広い谷である。

この谷は後に出てくる谷と違ってネパールの谷と良く似ている。

最初は頭痛も無く快調に歩き出せ希望がもてそう。
入園後前方に白い山が見えてくる。

パルカラフである。
山頂はもうひとつ向こうで見えていないそうだ。

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バルカラフ峰

3600m地点位から後頭部左が痛み出して心配。
頭を動かさずに静かに歩けばあまり痛みも感じないが後ろを振り向いたりすると強く痛みを感じる。

入園後少し先に行って昼食とする

昼食後は歩くペースが少し上がってしまったようだがそのままのペースでBC(4200m)まで歩いてしまった。

BCでテント設営をしていたら痛みが無くなりほっとすると同時にまた現れるのではないかと不安が入り混じる。

昨日より雲が多くなってきている。
夕食は豚のだしのスパゲティー風の(ニンジン、カリフラワー)クリームスープ。

それに若鶏とジャガイモとグリーンピースのトマトソーパ煮。
何日ぶりか「食べた!」という実感がした。

美味かった(ムイ デリシオソ!)。食欲も久し振りにあった。

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ガイドのクラウディオ氏と

7時半就寝。9時半ころ心臓停止かとおもわれるほどのに呼吸困難に陥る。
慌てて起き上がると何事も無いように正常になり横になるとすぐ寝入り夢を見ている。

「表示板が現れ、その表示板に訳の分からない表示が出て、その表示板に次のサインが現れると」
途端に呼吸困難に陥り起こされる。

この繰り返しの間隔が段々と短くなってくる。
12時過ぎまでこれが続く。

もうどうにもならないと思っていたら1時過ぎには不思議なことに何事も無かったように楽になり眠れるようになった。
2時間ほど熟睡できた。
それからはうとうとして5時に起きる。

6月30日:BCからHCに向けて。

出発9:15~ハイキャンプ14:30

6時朝食、7時出発の予定のため5時起床。
昨夜も苦しさで余り眠れていない。

食事係の段取りが悪いのか6時になっても朝食の用意が出来ていない。

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素晴らしい日の出でした

片付けたシェラフ、羽毛服を再び出して食事待ち体勢に入る。
7時に痺れを切らしてどうなっているかを問いただしに行くと食事はできていた。

ネパールとの時間感覚が違うのかそれともこのパーティーのスタッフの性格か時間観念が乏しい。

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そんなわけで出発が大幅に遅れ9時過ぎとなる。
頭痛はないので安心していたら1時間もしたらまたしだした。

ゆっくりゆっくり歩けば何とかなるだろうと高を括っていたが後の祭りであった。

草原地帯から岩場地帯に入った中ほどから歩くペースがぐっと遅くなり
休みを取る回数も多くなりその間隔も短くなってきた。

岩から岩への飛び移りのバランスも悪く上手く渡り歩けない場合が出てくる。

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やっとのことで氷河の舌端に到着。
ここでアイゼンを装着しピッケルを持って再び歩き出す。

トレースもついておりトラバースも容易なのに歩くスピードが全く遅くそして辛い。
トラバースを終えて登りにかかった頃にはもう歩きたくなくなるほど遅く頭痛も激しくがんがん痛み始める。

何度も何度も休憩してやっとハイキャンプに到着。

テント設営もできず全てやってもらう。
食事も日本から持ち込んでカニ茶漬けと現地のヌードル風スープを取り横になる。

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ハイキャンプ

6時半頃アスピリンを1錠飲む。
一晩中強烈な頭痛と吐き気に悩まされもう頂上アタックは止めて下山しかない。

ガイドのC氏は胃痛が無いので重大事には至らないだろうと言っているが
やはり下りたほうが良いとのサゼスション。

(ネパールでかかった高度障害の時よりずーとましなので安心はしていたが・・・)
(午前0時テント内気温マイナス13.7度)

7月1日:ベースキャンプに向けて下山開始

ハイキャンプ9:15~ベースキャンプ11:50

1時時点で本日のアタックを中止決定し、
6時時点でHCで1日休養して翌日アタックするか下山するかを決めることにした。

6時には体調も少し快復したように思えたので登りたい衝動に駆られたが全員下山を決定。
9時過ぎ下山開始。天気快晴。

早朝スタートしたパーティーがスカイラインの稜線上を登って行くのが見える。
何故か登れなくて残念という無念さはない。

昨日あれだけ苦しい思いをして登った雪上もあっという間に下りてしまった。

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6月26日のチュルップ湖にて

ガイドのC氏が説明してくれるあちらの山、こちらの山も覚える前から忘れていってしまう。
12時前にはBC(4300m)に到着。

1000m弱の下降で頭痛もすっかり消えている。
トイレも朝行ったきりでその後1回も行ってないのに気づく。

水分補給が少ないためだ。慌てて補給にするも尿意はもよおさない。
無理に出してみる。

頼んだ夕食は米食であるが硬くて食べれたものではない。
持参した梅干でお粥にして半分ほど食べる。

18時30分就寝するも1時間ほどしたら頭痛で目覚める。
1000m程降りてもここはまだ4300m。

やはり水分補給の失敗かそれともまだ高度障害が残っているのか心配になる。

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ハイキャンプの雪原 

今後の計画で当初ここBCよりイシンカ峰を経てコフップ谷に降り山荘(3760m)に行く予定であったが、
これを中止して早く降りれるコリーン経由でワラス(3050m)に変更して良かったとしみじみ思う。

その後も1時間から1時間半毎に目覚めるも全然もよおさず無理にトイレに行ってみる。
3時45分テルモスのお湯もなくなってしまった。

おきてお湯を沸かしコカ茶を飲みながら30日からの行動をメモしたりして眠れぬ夜を過ごす。

頭の後ろがまだ痛い。
トイレのため外に出てみるとトクヤラフの頂きあたりから三日月が顔を出し周囲をほのかに明るくしている。

その月を背に南十字星を見ながらの用足しはまたおつなものである。
(テント内の気温2度cと暖かい)

7月2日:BCからワラス(3050m)ホテルに帰還

BC8:40~コロン12:05→ワラス(ホテル)13:30

6時30分起床。頭痛少しまし。食事をして下山開始。
歩くと頭に痛みが響き左右に向いたり仰いだりすると後頭部が強く痛む。

5200mから4300m以下に降りてきたにもかかわらず何故こんなに痛むのかな?
後頭部に血栓でも出来たのかとついつい考えてしまう。

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クラウディオと果物を売っている子供たちと

どんどん下っているのになかなか出発地点に帰着できない。
12過ぎにやっと到着。待っていてくれたバス(トヨタのハイエース)に乗り込む。

相当酷いがたがた道ではあるが頭には響かない。
不思議と頭痛がぴたっと止まっている。

ワラスに到着後一段落したので昼食に出かける。
帰って一休みして頭痛も治まっているので軽く洗濯をして夕食。

明後日以降の計画を明日打ち合わせすることにする。
21:00下痢。整腸剤を飲んで就寝。2時30分目覚める。

持参した高山病の資料を1時間ほど読みながら明日からの計画を考えてみる。 

トクララフを再度登って見て今回と比較してみる
別の山に登ってみる。

反省:
今回は頭痛山行になってしまった。
頭痛ばかり書いてしまいましたが道中は素晴らしい景色をみたりして結構楽しみました。

1) 初日ワラスに到着した時点での頭痛発症で次の行動に移らずに徹底的に治るまで休養すべきであった。

2) スケジュールをこなす事ばかりを頭のどこかで考えていたのではないだろうか?

3) 頭痛はいずれそのうち治ると思っていた節がある。

4) ネパールでの初めての高度障害にあったときの反省を忘れてしまっていた。

5) やはり最初に高度順化に重点を置くべきなのに軽視していたようだ。

6) 今回会った9名の早稲田OB(50~60代)グループの優雅な高度順化(先ずトレッキングから)を見習うべきだった。

7) これからの後半の山行は高度順化もできてきたのか比較的楽であった。

その2に続く
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こうもり谷・カンテルート(12c)
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2005.06.12 大阪ぽっぽ会 Gramps

「こうもり谷」はこの時期でも涼しい岩場である。
昔は人工登攀の練習場として有名であった。今はフリークライミングの岩場となっているが入山許可が必要なところでもある。

このルートは3分の1くらい登ったあたりから前傾壁になっていてレストがうまくできないストレニアスなルートでもある。

この「カンテ」は私にとっては1日2トライが精一杯のルートでもある。
不動岩の「冬虫夏草12b」はゴールデンウィークの山行前に登れた(RP)ので心置きなく山に入れた。

今度の「カンテ」も24日からペルーアンデスに出かけるのでその前には是非RP・登っておきたい。
ということで今日は1日で3回も挑戦することになる。

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1回目:湿度が高く岩もヌメリが感じられる。
地球クラブのYa岡さんが液体チョークを貸してくれた。感触は良い。

順調に登っていけてる。10ピン目もクリップでき大穴の中の甘いホールドも左手で取れた。
次の一手のカチホールドが右手で取れれば後はその左上のホールドを左手で取って終了だ。

その右の一手をとるのにはあまりにも左手が疲れている。思い切って右手を出す。
届かずあえなくフォール。

無念!あーあ!ワンテン!(ワン・テンション=1回だけ落ちてそのルートを登り切ること)。何回これを繰り返してきたことか。

2回目:2時間休憩して再度トライ。
7ピン目をとってから右手でホールドをアンダー気味にとり、次に左手を上げ甘いホールドを引きつけなくてはならないのに何を勘違いしたのか再度左手の代わりに右手をあげてどこにもないホールドを探しに手を伸ばしてしまった。

無意識に次のピンを取ってからの動作をしていたのだ。
力尽きてフォール。ここからちょっとだけ休んですぐに登りを開始。

そのまま終了点まで行けた。やはりワンテン。
でも今度は中ほどから終了点まで登れた。

このパターンは2回目だ。それに1回目で落ちた核心部の身のこなし方が分かったような気がした。

3回目:2時間の休憩が欲しいところだったが2回目は余りパンプ(筋肉の疲れ)していないような気がする。

帰り時間も迫ってきているので1時間半の休憩でスタート。

1,2,3,4,5ピンと取って行きレスト。
6ピン目辺りのスタンスがイマイチ決まらないが何とかクリアー。

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7ピン目で多くの人はニーバー・レスト(膝を少し上の出っ張りに入れて安定させ両手を休める)をするが、私は一度試みたが余り旨くできないのでここでは両手をアンダーホールドで2~3回シェイクして次に進む。

ここからが被り(前傾壁)の始まりである。

次の8ピン目を取るのが私の第一核心である。
私のやり方は体を右に倒して左手で甘いホールドを引きつけてレイバック気味になって右足は外傾したスタンスにアウトサイドに乗せ、右手を真横に伸ばしてヌンチャクにクリップしなくてはならない。

左手への負荷がきつい。
これが最後まで影響してくるのである。

次の9ピン目をクリップして大レストであるが外傾そのもののこの場所でのレストは辛い。
ホールドを左右の手で交互に取りながらぶら下がった状態で岩を持っていない手を休めるのである。

正直なところ休めているのかどうか分からない。
だがやってみると効果があるので不思議である。とはいっても殆どシニタイ状態である。

ここから上が死のロードの始まりである。
ほんの少し左に寄ってガバホ-ルドを取ってレスト。

ここも辛いレストである。ここから右手で甘いホールドを取り左手をクロスさせて堪えてトラバース。
10ピン目をクリップ。旨く取れた。

もうここまで来たらもう根性のみ。
右手を出してカチホールドを引き気味にしておいて左手を斜めの穴に入れ、次に右手を右上のギザギザした痛いホールドを取る。

足を入れ替え大穴の甘いホールドを捕まえる。
そして1回目に落ちたホールドめがけて最後の力を出して体を上げ右手を出す。

指先に掛かった。十分じゃない。渾身の力を振り絞って右足左足と上げ最後のホールドを左手でゲット。

よっしゃー!いけた!終了点のカラビナにクリップ!!!やったー!これで心置きなくペルーに出発できる。

声援を送ってくれていた皆さんの「おめでとう、おめでとう」の声を聞きながら下ろしてもらう。ビレーヤーのYa口君(ATC)ありがとう!

ロッククライミングスクール(RCS)のパイオニア・大阪ぽっぽ会の28年目(2008年)のスクールは10月19日(日)と25日(土)の2回です。詳しくはぽっぽHP又は登山店のチラシをご覧ください。