大阪ぽっぽ会 会員・ Grampsの山行

岩登り、縦走を中心に春夏秋冬楽しんでいます。

初めて経験した5.12の世界      (不動岩・カーテンコール12b)

2004.04.13           大阪ぽっぽ会 Gramps

「今月中にレッドポイントしないとこのルートはヌメって来るので秋まで無理やで」
とK氏に言われて少し焦る。

初リードからワンテン病に掛かったかのように、
何回トライしても1回テンションが掛かってしまう。

昨夜寝ていたら頭の中でルートがちらつく。
こんなことはクライミングを始めて以来初めてである。

ハングを乗っ越してからの手順がさっぱり出て来ない。
明日隣のルート「タイコ11c」を登ってヌンチャクを掛けに行った時に確認しようと。
ここでまた眠りに入った。

2年前に早期退職をして山人生にのめりこみ58才は夏ヨーロッパ、秋ネパール。
59才は春ネパール、夏ヨーロッパ、秋ネパールと山人生を謳歌してきた。

今年1月で還暦を迎えた。60才になって気持ちも新たに人生を楽しく生きよう!
もちろん山人生を!ということで目標を立てたのが

1)1年掛けて10年前の体力に。
2)今まで思ってもいなかったフリークライミングのグレード5.12を登る。
3)アイスクライミングの5級を登るであった。

フリークライミング:この歳では登りこまないとハイグレードはとても達成できない。

雪山も正月に行ったきりでフリーに専念し始める。

これまでは毎年11月から5月の連休までは「アイゼン主体でフリーは合間に」のスタイルが定着していた。
したがって5.12を登るなんて考えたことも無かった。

5.11が登れりゃアイゼン登攀は十分できる。
それ以上やったら身体壊すだけやが口癖。てな事で5.12は私には無縁の世界であった。

登りこむとあちこちが痛くなり登れないというジレンマに立たされる。
昨年10年ぶりにワンマンショー(11d)を苦労の連続で再登できた。

そして今年1月から手始めに11年前にレッドポイントしたウリウリ(11d)にトライする。

岳寮のM本さんも横で「ウリウリもいつも登っていないと難しいなあ」なんて慰め?てくれる。
1月6日に開始し1月16日、10回目で再登できた。

2月4日、いよいよカーテンコール5.12bへのチャレンジ開始。
「タイコ」を登ってカーテンコールにトップロープを掛ける。

カーテンコールのルートは不動の正面壁特有の形状で下部がフェース。
そのフェースの細かいカチを過ぎるとハングの乗っ越し。

乗っ越すと次は前傾壁と続いている。

フェース部分は11bの小熊物語、11dのワンマンショーと順次難しくなっているが、カーテンコールはこのフェースに核心がある。

昨年和歌山のFur田さんがトライして登り始めたら「この先何にもなーい」と叫んでいたのを覚えている。
まさにトライしてみたらホールドが全く無い。

イレブンの世界とこんなにも違うものかと愕然となる。
正に絶望の淵にいる。

「絶望の淵から始まるのだ」フリーに嵌ってからの私の座右の銘?にしてきた。
でもこれから果たしてハング下まで伸ばせるのか?意気消沈。

今日はトップロープ下部のフェース2回触っただけで終了。

その後1日1回か2回のトップロープトライをしながらやっと2月25日下部フェースが1箇所残してハング下まで行けるようになる。なんとその回数12回。

3月10日、何故か日数があいて半月ぶりにトライ再開。
「ホールドが無い」から「見えてなかった」に変ってきつつある。少し希望がでてきた。

3月28日、下部フェースをノーテンション、上部前傾壁もワンテンで行けた。

4月1日、ながーいトップロープの日は終わった。
今日初リード。ワンテンで登れた。それからづーとワンテン続く。

どうしてもパワーが続かない。このルートは親指を結構使う。
余り親指は使ったことが無いので指に慢性的疲労がたまってきて痛みだし始めた。

4月13日、昨夜の布団の中のことを思い出し、
今日こそはと心の底に秘めてタイコを登ってヌンチャクを掛けに行く。

降り際に例のムーブの分からないところを調べておくつもりが
すっかり忘れてしまってそのまま降りてきてしまった。

1回目:緊張しているのか前傾壁でワンテン、
1時間休んで2回目のトライはややリラックスしている。

フェースも、ハング越えもスムーズに通過。
いつもテンションの掛かるところも通過する。

最終のクリップもできた。すぐ右上でタイコをトップロープで練習しているKaw中君がじっと見ている。
終了点まで後ワンブレス。

心のどこかでにんまりしている。あかん!緊張が解けてしまった。
背一杯伸ばした右手の指先の掛かりがちょっと甘い。

パンプ寸前の指では体が引きあげられない。
指が伸びて行く、あーぁフォール!無念。そのまま降ろしてもらう。

2回目:1時間半の休憩を取る。
今日、そしてこのルート最後のトライと覚悟してスタート。

下部のフェースでバランスを要求される2ヶ所とも危なっかしくフォール寸前。
しかも1度はスリップもする。右手指先が汗ばんでいる感じ。

ハングで掴んだホールドが滑るよーな気がして焦る。
フォールしそうになる。ハングを越えたらホールドが分からなくなる。

益々焦りが出てきた。
今日で最後なんだと自分に言い聞かせたら何故か不思議と気持ちが落ち着いてきた。

その次の甘いホールドも苦手なキョンスタイルが出来て決まった、
すばやく左足を左上に出して左上のお団子を取りに行く。トレタ!

すかさず拇ムーブに移動、次の右手上の水平カチを取りに行く。ここで最後のクリップ。
OKいける!先ほど滑ってしまったホールドも今度は上手く思っていたように取れた。

後は慎重に終了点に向かうのみ。
遂にやりました!何故か感激がいまいち。でも嬉しい。帰りにちょっぴり乾杯!

殆ど自分でムーブを探して繋げて完成させていく登りはやはり充実感がありました。
時間がたつにしたがって嬉しさが込み上げてきた。

ロッククライミングスクール(RCS)のパイオニア・大阪ぽっぽ会の28年目(2008年)のスクールは10月19日(日)と25日(土)の2回です。詳しくはぽっぽHP又は登山店のチラシをご覧ください。
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