大阪ぽっぽ会 会員・ Grampsの山行

岩登り、縦走を中心に春夏秋冬楽しんでいます。

唐沢岳・幕岩・畠山ルート       

期間:1998.12.26夜~12.30

12月27日:
27日早朝、NanohaBabさんと信濃大町駅にて待ち合わせる。
登山姿は我われのほか2パーティー4人で、

SD会の会長Sbさんもいる。
関西からの人は我われだけのようだ。

6時過ぎ、タクシーにて七倉へ。
冬はここから高瀬ダムまで約50分、

ほぼ水平道を歩かなくてはならない。
雪が少なくジョギングシューズで歩ける。

高瀬ダムで服装を整え沢筋に入って行く。
少し前を同志会の2人パーティーが先行。

トレースは残っており一安心と思いきや、
積雪量が少なく河原は石が出て、

ごろごろとしており、全く歩きにくい。
それにBabさんが予定外の体調不良で調子が悪い。

そんな訳かどうか分からないが、
ベースである大町の宿(岩小舎)に到着したのは12:00近くになった。

先着されていたSbさんのご好意で鎮痛剤「ノーシン」を分けてもらい飲む。
今日は取り敢えず、取り付きまでの偵察のみとする。

97年秋、今回のために登ったこのルートの取り付き点は、
B沢から2~3級グレードの岩を30mくらい登ったところから始まるが、

この時期はB沢よりその取り付き地点までザイルを結んで登らねばならないようだ。
今日は早めに食事を取って休養に心掛ける。

12月28日:
4時に起床したにも拘わらず、出発が7時になってしまった。
最近何事にも時間が掛かりすぎているようだと反省。

未明より登ってきたTUクラブ・パーティー(Kanさん、Miさん)に、
今日登ろうとしている畠山ルートを先行されてしまった。

というより、20代のお二人に後から追いかけられたら、
たまらんという気持があって「どうぞ、どうぞ」と先を譲ったのであります。

Babさんの体調は「ノーシン」のお蔭で悪く無さそう。

1P目:彼らの登攀を20分ほど待って登り始める。
無雪期2~3級のルートは当然ピンがなく、それが精神的にグレードアップさせる。

1ピッチに何箇所かビビリが入るところが出てくる。
このピッチ終了点のビレーポイントを共有させてもらい、セカンドを確保する。

Babさんの背負っているザックがいかにも重そう。

2P目:ここからは右上トラバースして、
少々外傾している所を人工で抜ける。

この右上トラバースは完全に氷化しておらず、
先行パーティーのセカンドがユマールで登っていくために

アイゼンで氷を壊してしまったりして、非常なデリケートな登りを要求された。
やっとのことで人工部個所に到着。

このハングの抜け口が悪くビビリ、ビビリながら乗っ越す。
ここから15~20m位はダブルアックスで登って、

ビレー点に到着。ここでも同じビレーポイントを使わせてもらい、
セカンドに「登っていいよ」のコール。

Babさんの登りが非常に遅い。
先行パーティーとの差がどんどん開く。

彼女の登りが遅いのではなく、先行パーティーが速や過ぎるのか?
それは分からない。

何故か、もの凄く焦りを感じる。
岩登りを始めて以来、初めて味わったこの感じは一体何だろう?

とにかく、パートナーの背負っている物が重過ぎる。
そして、トップとしての私のも重すぎる。

われわれは始めからビバーグを考え、その用意をしている。
勿論始めは軽量化に徹してできるだけ軽く、

かるくと考えていたのに、
寒いかもしれないといっては、あれもこれもと詰め込んでしまった。

その上、フォロワー(セカンド)用の荷物を重くしてしまったので、
このハングを越えるには厳しくなり過ぎてしまった。

セカンドを確保しながら先行パーティーに聞いてみた。
彼らは「最悪、終了点でビバーグを覚悟している。

その際はツェルトとシェラフカバーのみで我慢する。
一夜のみだから」との答え。

20代と30代始めのお二人とはいえ、
我われとは気合の入れようが違い過ぎる。

パートナーには悪いが、登る気力が急速に萎えてきた。
セカンドが到着した時点で、先行パーティーは次のピッチを終了していた。

何でそんなことを気にしているのだろうか?
知らないうちに競争心が出て、焦っているのか?

競争なんかしても、天下のTUクラブのKaさん、Miさんに勝てるわけがないのに。
ホンマにしょうもない。

3P目:このピッチはA2(アブミを使い且つ不安定なピッチ)。
出だしの5mはフリー。

最初の1mくらい登った所でスリップ。
ヒヤッとする。

アブミの個所に来て、何故か上手くこなせない。
頭の中でいろいろ考える。

「もう登るのイヤッ!」「肩が痛い!」「荷物が重い!」
「次ピッチのすべり台のベルグラが剥がされているのでは?」

登ることに対する拒否のための言い訳ばかりが頭の中でぐるぐる廻り始める。

遂に声になって「Babさん、降りても良いか?」と怒鳴っている。
「いいよ!」と返ってくる。

何故かホッとする。
ロワーダウンでビレーやーの所まで降ろしてもらう。

もしあの時に「だめっ!」って言われていたら、どうなっていたんだろうなあ・・・?

とにかく、ここから2P懸垂でB沢へ下りる。
下りた途端に「止めずに登りつづけておけば良かったのに」

「いやいや、あれ以上は登れなかったんや」と同じことを何度も繰り返しながらB沢を下る。
上から彼らが見てるのとちゃうか、

何で止めてしまったのかなあと思われへんかと見栄が出たり入ったりする。
こんなことを考える俺は、

「ホンマに山が好きで登ってんのかなあ」と考えたりして、ベースに辿り着く。

未練が残る。
今夜はこの大町の宿(岩小舎)には泊まりたくない。

一刻も早く下山したい。
「Babさん、直ぐ下山してもいいか?」「・・・いいですよ」

山に来て、自然を楽しまず、
山の中に浸らずに一体何しに来たのだろ?

高瀬ダムまで降りて河原に幕営し
明日1日はゆっくりすることに決める。

今回の山行は終わった。
私も気が弱くなったものだ。次回は頑張るぞ!
 

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