大阪ぽっぽ会 会員・ Grampsの山行

岩登り、縦走を中心に春夏秋冬楽しんでいます。

穂高岳・屏風岩、奥穂高            

期間:1997.4.27夜~5.03          Gramps

この春山山行は見事に失敗に終わった。
次週にも再チャレンジしたい気持で下山する。

計画は余裕を持って立てたつもりであったが、このところずっと味方してくれていた天候にも横を向かれ、戦術も今ひとつ上手くいかなかった。

山行計画は、屏風を登って前穂北尾根から前穂高・奥穂・西穂・上高地の予定であった。
計画が達成できないと10年早過ぎたのかと思ってしまう(最もこの歳で10年経てばますます難しくなるだろうが・・・)。


4月27日(日):
21:03大阪駅発ちくまにて松本へ。車内は空席が目立つ。

4月28日(月):
松本で上高地までのタクシー相乗り客を探すも、我々以外1人のみ。
仕方なしに4人で相乗り。一人4,200円となる。
運転手も恐縮してか帰りは5人で3000円にしますと言って、名刺をくれる。

上高地(5:40)~横尾(9:00)。天候思わしくなく雨が降り出す。
今日の予定は屏風岩基部までであったが、ツェルトで雨に打たれるのは気が進まないので、横尾の冬季小屋の軒先を借りてビバーグと決定。

中級の生徒のAさんが一人でやってきた。彼女は1泊2日で奥穂を登って帰るとか。
低気圧の足が早いので、明日は天気良さそう。(曇りから雨)

4月29日(火):
2:00起床。まだ雨が残っている。
雨も上がったので5:00に出発する。

通常の渡渉点・岩小舎跡よりずっと下流より川岸に沿って遡上する。
途中うまい具合に濡れずに渡渉できた。

四尾根取り付き(7:10,8:00)。四尾根の荷揚げで苦労する。

1P:Grampsが空身でリード。
少々被り気味のところを乗っ越し左にトラバース。

続くフェースをアブミを1回使って登り最初のビレー点を通過して大木の根っこのある地点でビレー。
続いてI君に登って来てもらい荷揚げをしてもらう。

私はBabさんをビレー。途中のハングでザックが引っかかってしまい、補助ロープを引っ張てもびくとも動かなくなってしまう。

Babさんにクライムダウンしてもらいやっと引き上げできた。

2P:Gramps再びリード。雪と泥のルンゼのところを40m登る。

こんな所を荷揚げしたらザックは見られたものじゃなくなる。I君がザックの上側で、BabIさんが下側で、調整しながら登って来てくれた。それにしても随分てこずってしまった。

3P:このピッチより荷揚げは中止して登ることにする。I君がトップ。続いてBabさん。

50m一杯伸ばして木でビレー。ラストのGrampsはくそ重いザックを背負って登る。傾斜がゆるいため何とか登れた。

4P:Grampsがそのままトップになり、この尾根の核心部下まで雪稜を30m登ってビレー。

5P:この尾根の核心部。I君のザックを背負って何とか抜ける。Babさんも、そして私の重いザックを背負ったI君もクリアー。

6P:プラトー迄角度があるため、5m程Babさん、I君にそのまま登って貰いビレー。

7P:I、BabさんにT3まで先行してもらう。
T3到着12:30。

この尾根の荷揚げで、めちゃめちゃ時間が掛かってしまった。I君にテン場作りをしてもらい、蒼稜ルートの取り付き(実はこのルートは7年前の正月に登っているのに忘れていた)を探して、2PほどFix工作をする。

蒼稜ルート:

1P:アブミルート。
雪のついていない垂壁をアイゼンを装着したプラブーツでただ、ただ上へ、上へと登る。

技術的にはアブミの最上段に乗っての掛け替えのみ。
それでも登り始めたばかりのためか、スムーズに登れない気がする。

5?~6?個目のピンが欠落しており、掛け替えにBabさんから借りたマジックフィーフィーが役立った。
1P終了。続いてBabさんがユマーリングで登ってくる。

2P:1P目よりは被っている(ハング気味)がアブミ登攀としては1P目よりは楽に登れた。

アブミからフリーに移行した後は落石しやすく気を遣うところである。
2P目終了点は大テラス。ビバーク可能な場所である。

下で設営準備しているI君にここまで登ってもらおうと思ったが折角設営準備しているので気の毒なので声をかけずじまいになる。

2P目もBabさんに登って貰うつもりであったが、時間の都合でロープ1本フィックスして懸垂で彼女のいる1P終了点へ降りる。

この懸垂で、9mmザイル1本でのATCによる下降は抵抗値が低く、非常に厳しかった(以前6mmケプラー1本で降りたときはそんなに厳しいものを感じなかったが・・・)。

やはり1枚カラビナをかますべきであったか。

続いて1P目をBab、Grampsの順で下降して取り付き点T4に到着。
設営準備をしてくれていたI君と3人でツエルトを設営してビバーク(16:30)。(就寝21:00)

4月30日(水):3:00起床、出発5:55。曇り空の下、昨日フィックスした2Pをユマーリング。

1P:Gramps、Bab、I君の順で出発。
Gramps空身+8mmザイル。Bab、Iはザックを背負ってのユマーリング。

2P:Bab、I、Grampsの順でユマーリング。
Babがユマーリング中、Grampsは1P目の荷上げ。Iは1P目をユマーリング。

2P目のユマーリングはハングしているため苦しそう。

3P:一昨日降った雨と昨日の好天で上部の雪が融けているのか、雫が飛び散り、このテラスもまるで雨が降っている状態になっている。

ここからの登り口を探すのに少し時間を食う。どうやらこのテラスの左端からがこのルートのようだ。

ルート全体がかぶっているが、ピンの間隔が近いためそんなに苦労せずに登れる。
ただ、小さく右に左へとジグザグに登っていかなくてはならず疲れる。

ヌンチャクを少ししか持っていかなかったため上部で(20m位伸ばした辺りから)ランナウトせざるを得なくなり、少々気持が悪い。

30m位登った辺りで(トポではこのピッチ30mとある)ランニングが残り1セットになってしまった。
ビレー点は見えないが、もう10mくらい上にあるような感じである。

ランナー(ヌンチャク)がなくなってしまったのと、小さなスタンスがあったのでここでピッチを切ることにする。
空模様は余り良くない。ロープをフィックスしてBabさんにユマーリングで登ってくるようにコール。

そして荷揚げの準備に取り掛かる。Babさん登り始めのハングと背中の荷物とそれにユマールトラバースと3つの悪条件が重なり苦労している様子。

そうこうしているうちに雨が激しく降りだす。
今日は諦めて下降することに決める。Babさん途中から下降するもユマールがランニングビレーに噛んでしまい、またまた大奮闘となる。

やっとのことで3人大テラスに集合でき、ここから再び取り付きまで懸垂下降。
3人雨の中どうにか取り付きに帰還できた。

それからロープの引き下ろしに掛かったら、7~8mひっぱたところで突然動かなくなってしまった。
30分ほど工作をしてみたが徒労に終わる。

Babさんの発案で今夜は取り付き点でビバークと決める。
これは結果として大正解であった。ツエルトを張って、ずぶ濡れの衣服を乾かす。

あれ以上雨の中でロープ回収に登り返していたら、疲労も加わり事故に繋がっていたかもしれない。

しかしこの夜、5つもの落石の洗礼を受ける(1昨年も3個の落石を受けている)。
前回はT3にて、今回はT4にて。T4は大丈夫と思っていたが、T3方面に落ちた落石が飛び散ってT4へもやってきたのである。

やはり雨のときは、ここも危険な所だ。今後のビバークに一考の要がある。

5月1日(水):起床3:30。今日は天気が良さそう。

再度登ろうか、止めようか迷いながら2人に聞いてみたら、1人が日程の関係で気乗り薄のため、今回は諦めることにする。

昨日のザイルを回収しなくてはならない。I君にお願いする(6:30~8:50)。
Babさんに昨日濡れた物を乾かしてもらう。今夜は心地よく眠れそう。

9時30分、四尾根下山開始。3Pの懸垂で取り付き点に。

相変らず1ルンゼでは落石が続いている。
涸沢への登山道に12時に着。登攀具を片付けて12時30分に出発。

昨日登った屏風をみながら、今日は涸沢へのハイキング。
途中3回の休憩を入れて15時涸沢に到着。

テントの数が非常に少ない。今年は後半の3日あたりから大勢入ってくるのであろうか。
ツェルトを設営し、昨夜落石で破れた個所を修理(フライ、本体で合計8箇所)。
疲れました。

今日はアルコール解禁。四周の真っ白な雪と真っ青な空の下でのビールの味はまた格別である。美味しい!
日没までテラスで歓談。さすがに日が沈むと寒くなってくる。

ツェルトに戻って夕食の準備にかかる。

5月2日(金):起床2:40、出発5:00。

今日は涸沢→奥穂→北穂→涸沢(I君は奥穂を往復して帰阪)の予定で出発。
奥穂の小屋に7:00着。稜線は風がキツーイ。

小屋で服装を整えて7:30に出発。人も少なく鉄梯子も渋滞なく登れる。
雪壁には何故かフィックスロープが張られており、誰もが楽に登り降り出来るようにしてある(フィックスが良いのか悪いのか分からないが???)。

時々ふっ飛ばされそうになるほど、強い風が吹いている。

慎重に登っていくと、いつしか頂上についた。
この強い風では山頂ではのんびりとすることも出来ず四周をぐるっと眺めるのがやっとである(視程は良好であるが・・・)。

会長・Moさんの「山頂での集合写真撮ってきてや」を思い出し近くにいた人にシャッターを押してもらう。
すぐさま下山にかかる。

風は相変らずキツイ。良い歩行訓練になった。
奥穂山荘には9:30分に帰還。この強風のため北穂への稜線歩きは危険と判断して、I君と共に9:30涸沢に降りることにする。

ザイテングラートの中ほどで一休みして春山を楽しむ(昨夏、ここで休憩した折に大きな落石がありこの直ぐそばまで落ちてきて肝を冷やした)。

涸沢10:50分着。ビールを飲みながらI君の下山を見送る(12:00)。

代わってI東あ、Tan岡、Ta中みの3君が入山して来た(14:00)。
今日も飲めるぞと思いきしや、I東嬢に「今日飲むのは7時まです」とぴしゃりと一言、いわれてみんなシュン。

それでも7時までは楽しく過ごせた。
明日は3時起床。Tan岡君に起こすのを頼まれて就寝。

5月3日(土):2:30分起床。3時にTan岡君を起こすも後1時間寝るとのこと。

若いっていいなあ!!?ツェルト撤収して5時下山開始。気温が高いのかこんな時間なのにブーツが雪に潜る。
横尾に6:30分着。

ここでO見、Kuri、Yam崎パーティーに会い45分間も歓談。
彼らも今日は屏風を登るのを諦めて、涸沢までハイキングに出かけるとか。

次の徳沢園ではYam本1号さんに会う。
情報伝達したりして話していたら直ぐ1時間が経ってしまった。

だんだんと歩く気力がなくなってくる。プラブーツに当たっている足の部分の痛みが増してくる。
その上濡れた靴下のため足がふやけて来てマメもでき始める。

途中明神で休憩して、上高地に着いた頃には痛くて痛くてとても歩ける状態ではなくなってしまった。松本駅前で早速ぞうりを買ってホッと一息つく。いつもの「お亀の湯」に入って車中の人となる。

雑感:
1):四尾根は荷揚げはしないほうが良い。各自で分担して登る(スピード化のため)
2):パーティー全体に「今回の山行を絶対完遂するぞ」という意欲があっただろうか?
3):山行トレーニングでシミュレーションができていなかった。(これはリーダーの力量不足であった)
4):次回への課題を残しての楽しい山行であった。
  
参加者:I東、NanohaBab、Gramps

髱呈惠_convert_20091204151027
横尾で会ったA木さん(この山行唯一の写真)

以上
スポンサーサイト