大阪ぽっぽ会 会員・ Grampsの山行

岩登り、縦走を中心に春夏秋冬楽しんでいます。

唐沢岳・幕岩・大凹角ルート 

日程:1997.2.7夜~2.10 
参加者:NanohaBab、Kotetu、Gramps

2月8日(土):
信濃大町5:11分着。そんなに寒くない。
7:00予約のタクシーをキャンセルして、客待ちしていた同じ会社のタクシーに乗り込む。

七倉5:50分出発。ここより高瀬ダムまで50分の歩き。
幸い道路は凍っており、ジョッギングシューズで歩けた。

高瀬ダムで服装を整え、7:15分出発。
今日は我われのみかと思いきや、ここで若い3人組(山岳同士会)に追いつかれる。

積雪量は過去3回に比べかなり多い。
幸運なことに1パーティー先行しているようでトレースがついている。

金時の滝までに合計3パーティーが我われを追い越していった。
彼等は皆ザックも小さく、軽量化している。

我パーティーは老若取り揃え、只でさえ足が遅いのに重量化。
因みに私は23kg、7年前に30kg担いで入山、

5パーティーに次から次に追い抜かれて、大町の宿(岩小舎で常に水が出ているベース)が取れずに、
その上部にある広島の宿を探した、あの時のことをを思い出してしまった。

軽量化の山行スタイルにもどる必要を痛感する。

金時の滝は左のルンゼ状のところを約100m登る。
今回は雪が多く、アイスバーンになっていなかった為、らくに登れた。

もう今日の全パーティーに抜かれ、大町の宿も取れないことだし、
急ぐこともないので休憩しながらベースに向かう。

予想通りに大町の宿には2つが既に設営してあり満員。
広島の宿の向かおうとするKotecchanを止めて、この付近に適当な幕営場所を探す。

岩小舎少し斜め下の大岩の陰に設営。
ここならば水もすぐ手に入る。ツエルトを張り終わって11:30分。

大凹角に向かった同志会のメンバーは今頃取り付き付近に進んでいるはずだ。
遅れること30分、取り付き到着。

件の3人パーティーのラストが、人工からフリーに移る所で苦戦している。
アイゼンをガリガリさせていたかと思っていたら、いきなりフォール。
かなりの時間を待たされる。

1P:待ちきれずにチムニー風凹角を、
人工手前まで登って待つこと10分。やっと乗り越していった。

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今度は自分の番である。
人工から入って難なく登り、次にフリーで少し左に移動して小ハングを乗り越す形になるが、

適当なホールドがなく、この部分の思い切りが難しい。
そう言えばか過去2回ともこのピッチはセカンドであった。

やっと乗り越したがアブミを残してしまった。
バイルにぶら下がれば取れるが、その先は使わないので面倒くさくなり、そのまま置いていく。

鈍角の凹角を3mほど登ってから、
通常右上してテラスでピッチを切るのであるが、

今回は50mザイルでもあるので2P目の終了点目指して直登を試みる。
最初は草付き、すぐに薄氷。

この氷意外とピック、アイゼンの爪が共によく効いて快適に登れた。
再びブッシュ交じりの雪壁を登って洞穴テラスに。

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先行パーティーが次のピッチを登りはじめる。
彼等は2pフィックスのようだ。

我われは時間の関係上このピッチで終わる予定。
Babさん、Kotechanとも苦労無しで登ってきた。さすが!

1P(実質2P)終了14:40.ベース帰着15:30.

今日はかなり待たされたので「明日は絶対彼等よりも早く取り付くぞ」と意気込む。

2月9日(月):
起床2:30、出発5:30.準備に時間を掛けすぎてしまった。
満天の星、そんなに寒くない。絶好のクライミング日和になりそうだ。

取り付きへのトレースは、ルンゼを登って途中より左に巻いて行く山嶺ルート方面に取ってあった
(通常は右へとってコルに向かうのであるが)。

取り付き点には既に1パーティーがいた。
やっぱり出発が遅れたことが災いしてトップでスタートすることができなくなる。

取り付き点より20m手前のやや安定した所で待機すること30分。
先行パーティーは昨日我われの前でフィックス工作をしていたパーティーと思っていたら、

当の3人が後から現れたのでびっくりする。
それでは前のパーティーは誰なのか?

よく見ると3人ではなく2人である。
しかもユマーリングではなく登攀しているではないか。

「しまった」と思ったがもう遅い。
「登攀しているのであれば、我われは横をユマーリングで登れたのに」。

残念だが致し方ない。ここで3人組に先を譲って最後尾につくことにする。

ユマーリング開始7時30分。えらく遅くなってしまった。
それでも先頭の2人(富山登攀クラブ・石川労山隊)を1P終了点(洞穴テラス)で抜いたが、

彼等はつるべで登っているので先に行ってもらう。
我われは午後2時時点で継続するか、止めるかを決めることにして、
とにかく行ける所まで行くことにする。

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2P:洞穴左を1.5m登って、
洞穴の上を右にトラバース。

その後、右斜め上のリングボルトまで登り、
ここから心持右上しながらの人工となる。この人工となるところが細かく氷がつくと難しい。

今回はこの個所に氷が付いていなかったので不動岩ハーケンルートのフェース登りの感じで登れた。

アブミを5回ほど掛け替えて、再びリッジ風の草付きに。
ここの移動は嫌らしい。

バランスと取りながら思い切って斜め左上の草付きにバイルを打ち込み体重移動をする。
上手くいきホッとする。早速ウォートホッグを打ち込み一安心。

リッジに移って50cm登り、再び右のフェースに戻る。
このフェースはベルグラが張っており難しかった。

リッジとフェースの境の少し雪の付いている所にピッケル、
バイルを打ち込んで次のリングを目指して登る。

リングにピッケルが掛かる高さまで登り、また一安心。
ヌンチャクをリングにつけたその瞬間、アイゼンを刺していた氷が崩れ、体が下方に。

幸いまだカラビナを持っていたのでフォールは免れる。
が、右手中指に激痛が走る。

フィーフィーをリングに掛け、痛みが通り過ぎるまでレスト。
痛みも和らいだので登攀開始。

被り気味の所を乗り越し、草付きを直上して、ボサテラスのバンドに向かう。
ここでランナーがなくなる。

リングにカラビナを掛け、テンションして一つ下のランナーを外し、上に掛け替える。
ボサテラス直上の登りは、バンドのすぐ下を右へトラバースして、確保地点直下のブッシュから登る。

このピッチで上部からの落氷を右肩に受け、しばし立ち往生した(ホンマに、痛かった)。

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3P:ボサテラスから先ずフェース。
前回は左上して直接凹角を目指したが、

今回はフェースの左端に草付きがあるので、
一旦トラバースしてそこまで行き、振り子トラバースの要領で、
リング2つ経て下り気味に横切る。

そこから草付きをダブルアックスで左上しながら凹角へ。
ところがこの凹角、氷が崩れてしまっている上、少しハングしていてとても登れそうもない。

そこで3分の2くらいの所から左に廻り込むことにする。
移動後はダブルアックスで簡単に行けそう。問題はこの移行部分。

非常に嫌らしい。バイル、ピッケルは全く使えないし、手がかりもない。
只ただ、バランスだけの立ち込みである。

「頼むぞっ!」、「はいっ!」の掛け声で気を引き締め、
微妙に体重移動をしながら小さなスタンスに乗っていく。上手く立ち込めた。

成功!かなりの緊張。頭の中では「リラックス、リラックス!」と命令が出ている。
なぜか急に楽になって、次の移動がスムーズにできた。

ここから、10m程雪壁を登ってビレ-。(前のパーティーはトラバースせずに真っ直ぐ氷を登っていった。

その折に氷もかなり崩してしまっており、
余計に登りにくくなったのではないかと、自分の実力のなさを棚に上げて思った)。

4P:でだしの3mは氷化。
左の木を利用しながらアイゼンの爪を氷に打ち込みながら登る。

その後は緩傾斜の雪壁をロープ50m一杯伸ばしてビレー。
4P目のビレー点で落氷を右足大腿部に受けたKotechanは、足に力が入らず登り辛そう。

5P:続く緩傾斜帯の雪の中をBabさん、Kotechanに先行してもらい50mいっぱい伸ばす。

6P:緩傾斜帯を3m登って、いよいよ大凹角への取り付き。
先行パーティー、先々行パーティー、共に相当苦労していた。

先ず凹状の中のテラスへ。
(回り込むところが嫌らしい。
フレンズをかましてランニングビレーを取り、それにつかまって入り込む)。

その後凹状の右壁2m程を左上気味に登る。
迷わずアブミを使用。ピンが非常に遠い。3段目に立ち上がるも、手のホールドが甘い。

2~3度試みてやっと立ち上がれた。ピッケルを残置シュリンゲに掛けて確認。
3つ目のリングにも残置シュリンゲがある。

これはしっかりしているようなので直接アブミを掛けて登る。
ここもアブミからフリーに移る所がきつかった。

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やっと這い上がったら、今度は向きを左に変えて、ビレー点へ。
1m程の岩を越えなければならないが、ホールドがない。

落ちたらやばい。ハーケンを打つも効きがイマイチ。
下向きには何とか効いているようなので、

右足は右側壁に、左足は、豆粒大のスタンスに乗せて何とかビレー点に到着。
(先行パーティーはこのルートを取らずに直接真正面からトライしていたところトップが3mフォール。びっくり!)。

狭いテラスに3人。何とかやりくりして次のビレー点を目指す。

7P:大凹角の中間点のテラスを左へトラバース。
余り気持が良くない。トラバースから人工への乗っ越しが悪い。

少々強引に乗っ越し、
先行パーティーが登るのを待って、ここでビレーする(約8m)

8P: 人工でチムニーを抜け、
フリーになって少し右に移動して、1m程登る。


その後少し右に移動して1.5mの直登。ノーピンで腕力のいる個所である。
岩をまたいで登ったら、左足が雪に蹴りこめてスタンスが取れた。

その岩の上はガバホールドがあり一休みできた。その後右に廻って直上。
再び左に2mトラバースし1m登った後は、緩傾斜を3m登り、木でビレー。

このピッチは結構疲れた。Babさんもアブミを回収忘れして、
折角登った所を2m程クライムダウンして再登するはめになる。

やはり、腕力の要る個所では苦労していた。

9P:傾斜30度、幅50~70cmのバンド上を15m登り、
90度右折して木登りを3mしたらこのルートの終了点。

逕サ蜒・006_convert_20100315131222逕サ蜒・005_convert_20100315131200

Babさん、Kotechanもやがて顔をだし、16:40分、3人で握手。
記念写真を撮り、紅茶を飲んで、早速下山開始。

下降:
昨年9月に引き続き、今回も日没の中での懸垂下降となりそうだ。

連続懸垂下降もみんな慣れてきて、手際よくできた。
終始Kotechanがトップで降り、支点を上手く探し出してくれてスムーズに降れた。

6Pの懸垂で取り付き点に19:30到着。ベースへは19:50分着。
星がきれいな夜である。

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重いものを体から下ろし、ツェルトにもぐり焼酎のお湯割で乾杯!
空腹の胃にはしみて、疲れがゆっくり麻痺していく。

たわいない話に花が咲き、アルコールの量も増していく。11:30就寝。

2月10日(月):
5:15分起床。今朝も星が一杯。晴れること間違い無し。
山嶺第2ルートを2~3ピッチ登ってみたい気持ちを捨てて下山開始。

9時出発、高瀬ダム10:50~七倉12:10、12:30~高瀬館13:30露天風呂につかり、ビールで再度乾杯。タクシー→大町駅→高槻21:00

雑感:
1):軽量化。今回の山行でGramps未使用分(食糧を含め)3.7kgあった。
 取り付きまでの時間ロス。最初に取り付けなかった。

2):3人で6個のアブミの効率利用を忘れていた。

3):先手必勝。起床から出発までの効率的行動のこと。
遅く取り付いたため夜間下降になってしまった。

4):トップに負荷を軽くして登った(Babさんにもそれなりに担いでもらった)。

5):今回の目標「大凹角を登る」とKotechanの八ヶ岳西面を越えた最初の冬壁は達成できた。

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