大阪ぽっぽ会 会員・ Grampsの山行

岩登り、縦走を中心に春夏秋冬楽しんでいます。

剣岳・小窓尾根・八つ峰~早月尾根 

修正Reup

日程:1996.4.27夜~5.2          
参加者:Y良、NanohaBab、K寺、Gramps(大阪ぽっぽ会)

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小窓尾根中間部での休憩

4月27日、28日:
急行・きたぐにはがら空きである。
しばし歓談して就寝態勢に入る。

富山までに2度ほど目を覚ましたが、
富山駅に到着した時はぐっすり寝入っており起こされてビックリ、慌てた。

目的駅で眠っていて起こされたのは初めてである。
富山地鉄の一番電車もがら空き。

上市駅で降りたのは我々のほか1パーティーのみ。
例年になく多雪のためタクシーは馬場島まで入れず、冬のゲート前で降ろされる。

ゲートから一人500円で軽トラの白タクに乗れ、1時間の舗装道路を歩かずに済む。
馬場島は今まで来た中で最高の積雪量である。

登山届を出していよいよ出発である。
天気も良く気持が良い。

赤谷・小窓尾根と早月尾根方面の分岐の道標も雪の下である。
河原も一面雪。最初に渡る木橋も雪の下のためなんなく右岸に。

通常この木橋の所から右岸沿いに遡るのであるが先行パーティーにつられて高巻いてしまった。

河原を気にしながら高巻いていったら、
川面からかなり上がってしまった。

河原にもトレースらしきものが見えるので、
下りて見るとそこは幸運にも、取り入れ口ところであった。(休憩)

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小窓尾根の出発

ここからスノーブリッジを渡って左岸に移る。
その後、堰堤を越えて大きく右に廻った地点が渡渉点であるが、
ここもスノーブリッジがあり渡渉の洗礼を受けずに右岸に移ることができた。

タカノスワリもデブリで埋められており、雪原を雷岩目指して進むだけである。
雷岩も雪に埋っていて見えない。(休憩)。

この辺りから適当に小窓尾根の稜を目指して急登を疲れないペースでゆっくり登る。
稜線に出たところで若いY良、K寺君が待ってくれている。(大休止)11:55.

天気快晴。ここからは、早月尾根や赤谷尾根を交互に見ながらのんびりと登っていく。
とにかく天気が良いので気持がいい。

14:00、今日の幕営予定地1990m地点に到着。
ハイマツが少し顔を出している所から水が垂れている。

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幕営地の整地作業(1)

Y良君が早速水取り作業に入る。
皆も同じようにこの作業を真似する。

K寺君が雪とミルクを混ぜて美味しいものを作ってくれる。

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昨夜泊ったと思われるパーティーが350mlのビールの空き缶を1ケ忘れて行ったようだ。
途端にビールが恋しくなるも持って来ていない。

1時間かけてツェルトを2張り設営。

15時から夕暮れまで昼寝したり、
四周の景色を眺めながらお茶を飲んだりしての至福の一時を過ごす。

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幕営地整地作業(2)

4月29日:
3時起床。満天の星空だったそうです。
後で見ようと思っていたら、テントを出るときには既に外は明るくなっており、星は一つも見えない。

それでも天気は晴れ。
周りの景色は今朝も素晴らしい。2日続いて天候に恵まれそうだ。

雪はアイゼンが丁度効く程度の適度な硬さである。
昨日先行したパーティーの跡を辿って第一のピークへ。

ここからは大きく右折して20m程下ってコルへ出る。
ここからは急雪壁とルート図にはあるが、思ったほどでもない。樹林を抜けてまた尾根に出る。

ニードルが間近い。
そのニードルは右側から岩稜を基部まで登り、

ここでザイルを出して右に3mトラバースして、
2mクライムダウンしてから次のコルを目指して登る(休憩)。

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熟睡のK寺君と

次の登りは岩稜帯の左の雪壁をノーザイルで登ってドームの頂上(大休止、9:17)。

ドームから下って4m程の草付き混じりの岩稜を
マッターホルンのある個所に似ているなあと思いつつ登る。

その後右にややトラバース気味に回り込んで次の岩稜地帯へ。
雪の付いていないこの岩稜は、両側がすっぱりと切れ落ちており慎重に通過する。

この辺りから小窓尾根の核心部のようだ。

15m程水平移動した後、
白萩川側へ3m程クライムダウンして、1mトラバースし、その後20mの雪壁を登る。

Y良君がザイルなしで登った後、ちょっとやばそうなのでロープをフィックスして登る。

再度雪稜を20m登り、
白萩川側を5m程下り、雪壁を5m位トラバース(古いフィックスあり)。

今度はルンゼ状の雪壁を20m登る。
ここもY良君がロープなしで登ってしまう。

Y良君の確保で登る。
この後は余り厳しい所はなく、只ただ我慢の子で登るのみである。

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小窓のトップで

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Gramps,K寺、Bab

マッチ箱の頂きで大休止をして、
その後はアップダウンを何度か繰り返し、小窓尾根の頭を経て小窓の王の基部へ到着。

ここから三の窓への下りが急で少し嫌らしいが、
ロープなしでも下れそうである。

例によってY良君はさっさと下って行ってしまった。
我々は念のためにクライムダウンで降りる。14:20分

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三の窓に到着。30分休憩して池の谷乗っ越しまで進める(今日の泊り三の窓から池ノ谷乗っ越しに変更)。
16:00、2時間掛かって雪洞完成。快適?

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4月30日:曇り
5時起床。7時40分長次郎雪渓を下る。
この雪渓を上手く降りれるかチェック(池ノ谷ガリーを下れるかどうかのチェック)。

8:30、Ⅴ・Ⅵのコル登り開始。
今年は本当に雪が多い。Ⅴ峰の登りは雪壁を真っ直ぐに登れてしまった。

ルートもトレースが付いており、その上登り降りも階段状になっており、
困難さが無くなり只の縦走プラスαくらいの感じである。

トレースが付いていなければ結構厳しく面白い縦走になっていることだろう。
それにしても周囲の景色は素晴らしい。10時50分、ベースに帰着。

この後の時間を持て余しそうだ。
昨日完成した雪洞の天井が低くなってきているようだ。改築を開始。

全員昨日よりも手際よく、上手くなっている。
大改築後、Y良君が外にテラスを製作。

K寺君の手によるコーヒーとミルクをミックスさせた美味しいものと、
いつものプリンをご馳走になる。

食べながら皆で昨日歩いてきた、
小窓尾根を眺めながら楽しい一時を過ごす。

16時頃には寒くなってきたので、雪洞に移動する。
雪洞の天井がなんとなく不気味である。

2本クラックが入り始めたり、2~3cmの穴が開き始めて来た。

18時、念のためにもう一つ縦穴式雪洞を掘る。
(不安な雪洞は、後3日は十分持つと判断したが)。

20時、掘ったついでにそちらに引越しをする。
今夜は結構温いのか寒さは全く感じられない。

夜半時々雨がフライを強く叩いていた。
それにしてもK寺、Y良君のパワーはすごい。

これが若さか(そう言えば、K寺君と私は30歳も差があるのか)。
これからも宜しく!

5月1日:
3時起床。Y良君が「4時起床」と言ってたのにと、ぼやいている。
天候悪化のため、今日中に早月小屋まで下りることにする。

6時15分、剣岳山頂に向けて出発。
長次郎の頭の所に一ヶ所、急雪壁があったが、1時間ほどで剣頂上に到着。

一面ガスっており何も見えない。
それでも記念に写真を撮る。

と一瞬、ガスが切れモノトーンの世界から一転、
銀世界が広がる。素晴らしい。

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剣岳山頂にて

Y良君が雷鳥沢あたりにいるO見君と無線連絡を取るも通じない。

7時40分Y良君と別れ(彼は雷鳥沢へ)早月尾根の下りに入る。
この頃より雨が降り始める。

カニのハサミ下降点は適度の緊張感を伴い面白い。
時間経過と共に雨脚が強くなり、早月小屋に着いた頃にはびしょ濡れになってしまう。

このまま下山を続行するか迷ったが、とにかくうどんを食べようとなり注文する。

食べているうちに、泊まろうかとなり、
決まればすかさず「ビール!」の注文の声。

ぽっぽの早月隊が登ってくることになっているが、
この雨で果たして登って来るのであろうか?

登ってきた一人の登山者からの情報では登って来ているようだ。
15時頃、早月隊が全員びしょ濡れになって登ってきた。

小屋の中にいると、
高度2000mの雪の中にいることを忘れさせられてしまいそうな快適空間である。

因みに今夜この小屋に泊まる客13名中12名が知り合いである。
濡れた物を乾かして、22:00就寝。

5月2日:
5時起床、7時50分、剣に向かう早月隊を見送って、8時に下山開始。

昨日とは打って変わって、快晴(風強し)。
周りの山々の雪の量が相当減ったようだ。

昨日までは白、白、白の世界から、かなり黒の部分が多くなってきている。
3日間続いた晴天と昨日の雨のせいであろう。

天気も良いので、のんびりする。
途中の急斜面で下降練習をしながら、ゆっくり下山。

4時間掛かって馬場島に到着。

馬場島で下山届を出し、ゲートまで歩きを覚悟していたら、
今朝車で入山した京都のパーティーの一人が腰痛が治らなかったとかで、一人で帰るそうだ。

その車に上市まで乗せてもらう。

馬場島から赤谷尾根と早月尾根の分岐の道標が雪面より1mも出ている。
出かけるときは雪の下で全然見えなかったのに5日間で1mも雪融けしたのであろうか?

また往きに全く見えなかった雷岩も下山時には川下部分が雪融けして真っ黒になっていた。

こんなにも変化があるのにはおどろきである。

今回の山行で感じたこと、気づいたこと、反省点:
1:三の窓泊を→池ノ谷乗っ越に変更した理由:
パーティーの不安材料:雪壁下降:
チンネ登ってから池ノ谷ガリーを下れるか心配。

チンネを登りきれなかった時早朝、堅雪(氷化)の池ノ谷ガリーを登れるか。
午後の雪が適度に緩んだガリーを登っておけば各自がガリーを理解できる。

従ってチンネを登るにしてもガリーを降りれるか判断できる。
傾斜と雪質は異なるが、長次郎雪渓で慣れておくこともできる。

2:小窓尾根は2日間で登れるであろうが3日間での余裕のある計画にした。
(今回の山行は小窓尾根が最大の目標であるため)

3:雪壁(氷に近い堅雪を含めて)の下降トレーニングの不足。

4:ザイル操作でK寺君の説明のまずさ
(今になってこの項は何の事かわからない)。

5:アイゼン選択の失敗。
団子になりやすいアイゼンの使用により常に足に負荷を加えて歩いていた。

と同時に滑落の危険性があった(外国製の幅狭アイゼン)。

6:剣岳の剣の字:剣のほかに4文字あり。
以上
  
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