北ア・滝谷第4尾根と穂高周辺
期間:1990.04.27~05.05
岳僚のM本夫妻の見送りで出発。
4月28日:
大阪23:00→奥飛騨温泉口7:17→新穂高ゲート8:15、8:25~白出し小屋9:30、9:50~滝谷出合い11:05、11:25~C・D沢出合14:00~小コル14:15~C沢左右俣分岐(大岩)15:00~スノーコル15:55
富山駅でぽっぽ会のOka島君に会う。
彼らは太郎から槍まで縦走に向かうとのこと。
奥飛騨温泉口からはタクシーを利用し新穂高ゲートまで乗りつけれた。
白出しの出合までは雪もなく運動靴で進む。
ここから登山靴に履き替えるも先行者がいるのかトレースを借りる。
滝谷出会いで先行者5名に追いつく。
彼らは真っ直ぐ槍平に向かう。
ここからはトレースもなくいよいよ滝谷の遡行である。

滝谷第4尾根全景
雪はつぼ足程度で雄滝手前で休憩。
滝は亀裂が入っていたが高巻きはせずに直登強行突破。
Nak岡君が乗っ越したところで下にサングラスを忘れ取りに行く羽目に。
お疲れ様。
合流地点からの沢区別が分かりにくくなる。
ああだ、こうだと言いながら上へ上へと進む。
単なる小コルをスノーコルと間違えがっかり、気を取り直して再び登りはじめる。
C沢左右俣の大岩を見つけスノーコル間近いとホッとする。
傾斜は一段ときつくなって来た。
天気は良いのに時々雪がちらつく変な天気になってきた。
16時スノーコルに到着。
岩ひばりが出迎えてくれた。
早速雪ならしして設営。

スノーコルのNak岡、Gramps
18時ころより雪は激しくなる。
圧迫感で目覚める。23時である。
雪でツェルトが埋まり始めている。
牧師、Grampsで雪かきに出る。
雪かき中に3回もコッフェルを飛ばしてしまった。(2個紛失)
今度は2時ころNak岡君が雪かきに出る。
先ほどの1個を傾斜の途中に発見、回収。
風雪で良く眠れず朝を迎える。
4月29日:一日中雪。
時々雪かきをしながら停滞。長いようで短かった一日。
(起床9:00→朝食10:30→就寝19:00)
4月30日:
起床2:00、出発5:30~2P終了6:20~Cカンテ11:45~ピナクル左11:45~ツルムコルから1P(13:40)~縦走路17:00~松涛岩19:30~就寝23:00
春なのに、昨日一日で50cmの積雪があった。
ここからはアンザイレンで進む。
1P:Nak岡:テント地より雪稜を40m一杯で取り付き点に。
2P:Gramps:雪壁を40m一杯伸ばす。

3P:牧師:Aカンテ「次、牧師君トップ!」のNak君の掛け声で「僕行くんですか」牧師君。
「そう」の一声で牧師登りはじめる。
新人の牧師もNak岡式新人訓練法に嵌る。
この時Isi原二世の誕生である
(そういえば服装がIsi原君とそっくり、それにスタイルも?)
カンテ添いにゆっくり慎重に登る。
初めての雪山本ちゃんリードである。
4P:Gramps:Aカンテ途中よりナイフエッジを通過してBカンテ取り付きまで。

5P:牧師:Bカンテの途中細かくビビリが入るところ。
右に少しまわりこみ登る。牧師さん、よう登った。

初めての雪山登攀・牧師さん
6P:Nak岡、Gramps:5pよりそのままツルベで雪壁をCカンテ取り付き手前(コル)まで進む。

ナイフリッジをフォローするGramps
7P:牧師:ここも1ヶ所右へ移動して登るところが難しい。牧師ここもフリーで通過。
8P:Gramps:ガリーをダブルアックスを使ったりして
40m一杯登ってしまったためビレーポイントに苦労する。
9P:Nak岡:ガリー上半部15m。
10P:Nak岡:45m一杯でツルム頂上付近に。
最後の乗っ越しはA0で。
そのあとコルへの懸垂地点を探すのに苦労したがクライムダウンしたところで発見。
このときNak君シュテヒトを落としたが幸いにもコルで止まった。
コルで20分ほど休憩(ビバークできる)
11P:Gramps:アブミを出して登るも1ヶ所の使用で済む。

休憩後の最初のピッチを登るGramps
12P:Nak岡:Dカンテ最後の乗っ越しは難しいところだが難なく抜ける。

実質最終ピッチのNak岡
13P:牧師:セカンドのGrampsユマールで雪稜を40m一杯伸ばす。
14P:コンテで縦走路に出るも昨日の降雪でルートがわからずまごつく。
縦走路らしいところを南稜に向かって4Pほどトラバースしてやっと縦走路の印しを発見。

登攀を終えて
暗くなり始めたのでビバーク地点を探しそこに設営。
設営間もなく風が強くなりコンロに火をつけ、
コーヒー、甘湯、生姜湯を飲んでもラーメンを食べても一向に温まらずにむしろ寒くなるばかり。
ゴアのテントの弱いところか?
23時就寝。Isi原君に借りてきた高級?羽毛シェラフはやはり温かい。
風によるパンパーンという音と同時に牧師がこちらに吹っ飛んできた感じ。
寝たと思ったら強風ですぐ起こされる。
5時ころようやく風は治まった。
5月1日:
起床5:30、出発8:45~ドーム北壁左ルート基部9:50、10:00~終了12:20~松涛岩トライ~就寝21:00
今日は昨日の疲れもありゆっくり朝食をとる。
北穂南稜少し手前にザックを置いてドーム北壁に向かう。
じゃんけんでトップを決めて登る。
1P:牧師:アブミの掛けかえで終了
2P:Gramps:同じくアブミの掛けかえで終了。

ドーム北壁2p目のGramps
3P:Nak岡:フリー。最後が少し力が入る。
3pとも雪が付いておらず物足りなかった。

ドーム北壁登攀を終えて
今日はこれでおしまいで北穂に向かう。
北穂のところはテントが張れず引き返して松涛岩のところに設営。
Nak岡君の「ここ登ろうか」の声で牧師、Grampsがトライ。
見事?松波岩完登。

松涛岩を完登し終えた牧師さん
5月2日:
起床2:30、出発6:15~涸沢8:00就寝21:00
Nak岡、牧師は涸沢岳西尾根経由で下山。
私は後発組との合流のため涸沢に下る。
天気がよければ奥穂経由で降りたかったが今にも降りそうだったので北穂沢を降りる。
11時過ぎに晴れだし残念であったがお蔭で一日のんびり出来た。(小屋泊)
5月3日:
起床4:30、出発5:30~屏風の頭8:00、9:10~涸沢10:50テンバ確保、出迎え12:30~合流13:30・・就寝19:00
今日は後発組みが登ってくる日であるが午後になるでしょう。
小屋で知り合ったRCC神奈川のS藤さんと2人で屏風の頭に出かける。
朝早く出たにも拘わらず20cmも潜る。気温が相当高そうだ。
最低こるまでのトラバースを少し間違えて上に行き過ぎてしまった。
何本も尾根を乗っ越して時間ばかり食っている感じ。8時頭に到着。
快晴。穂高の全景、槍も蝶も、常念も遠く富士山も見える最高の展望台である。
コーヒーを沸かしゆっくりすること1時間。
もっと居たかったが気温の上昇が気になり帰る事にする。
案の定帰りはぼそぼそと足をとられる。
あちこちから雪崩れの音が聞こえてくる。
亀裂の入ったところを急いでトラバース。
昨年雪崩れた北穂沢でも雪崩れ発生。14~5人が遭遇したが全員無事でよかった。
テンバを確保して11時、Is原君に無線コールしたらバッチリキャッチしてくれた。
13時出迎えに行く。全員揃ったところで乾杯!
夕食後明日のパーティー編成をして就寝。
5月4日:起床2:00・・・・・・・・就寝20:00
やっぱり雨。Kam田姉さん、Gramps以外はトレス発散のためか雪中行軍。
明日午前2時現在雨なら下山。
晴れなら登るということで就寝。
5月5日:
起床2:00、出発5:00~上高地10:00→松本12:25→京都17:50
残念ながら後発組は涸沢へ行って帰るだけに終わってしまった。
申し訳ないが私にとっては今回の山行は後半雨で残念であったが充実したものとなった。
先発組:Nak岡、牧師、Gramps。
後発組:Kam田姉さん、Mur崎、Mor田、Enoさん、O見、Isi原、Gramps。
以上
期間:1990.04.27~05.05
岳僚のM本夫妻の見送りで出発。
4月28日:
大阪23:00→奥飛騨温泉口7:17→新穂高ゲート8:15、8:25~白出し小屋9:30、9:50~滝谷出合い11:05、11:25~C・D沢出合14:00~小コル14:15~C沢左右俣分岐(大岩)15:00~スノーコル15:55
富山駅でぽっぽ会のOka島君に会う。
彼らは太郎から槍まで縦走に向かうとのこと。
奥飛騨温泉口からはタクシーを利用し新穂高ゲートまで乗りつけれた。
白出しの出合までは雪もなく運動靴で進む。
ここから登山靴に履き替えるも先行者がいるのかトレースを借りる。
滝谷出会いで先行者5名に追いつく。
彼らは真っ直ぐ槍平に向かう。
ここからはトレースもなくいよいよ滝谷の遡行である。

滝谷第4尾根全景
雪はつぼ足程度で雄滝手前で休憩。
滝は亀裂が入っていたが高巻きはせずに直登強行突破。
Nak岡君が乗っ越したところで下にサングラスを忘れ取りに行く羽目に。
お疲れ様。
合流地点からの沢区別が分かりにくくなる。
ああだ、こうだと言いながら上へ上へと進む。
単なる小コルをスノーコルと間違えがっかり、気を取り直して再び登りはじめる。
C沢左右俣の大岩を見つけスノーコル間近いとホッとする。
傾斜は一段ときつくなって来た。
天気は良いのに時々雪がちらつく変な天気になってきた。
16時スノーコルに到着。
岩ひばりが出迎えてくれた。
早速雪ならしして設営。

スノーコルのNak岡、Gramps
18時ころより雪は激しくなる。
圧迫感で目覚める。23時である。
雪でツェルトが埋まり始めている。
牧師、Grampsで雪かきに出る。
雪かき中に3回もコッフェルを飛ばしてしまった。(2個紛失)
今度は2時ころNak岡君が雪かきに出る。
先ほどの1個を傾斜の途中に発見、回収。
風雪で良く眠れず朝を迎える。
4月29日:一日中雪。
時々雪かきをしながら停滞。長いようで短かった一日。
(起床9:00→朝食10:30→就寝19:00)
4月30日:
起床2:00、出発5:30~2P終了6:20~Cカンテ11:45~ピナクル左11:45~ツルムコルから1P(13:40)~縦走路17:00~松涛岩19:30~就寝23:00
春なのに、昨日一日で50cmの積雪があった。
ここからはアンザイレンで進む。
1P:Nak岡:テント地より雪稜を40m一杯で取り付き点に。
2P:Gramps:雪壁を40m一杯伸ばす。

3P:牧師:Aカンテ「次、牧師君トップ!」のNak君の掛け声で「僕行くんですか」牧師君。
「そう」の一声で牧師登りはじめる。
新人の牧師もNak岡式新人訓練法に嵌る。
この時Isi原二世の誕生である
(そういえば服装がIsi原君とそっくり、それにスタイルも?)
カンテ添いにゆっくり慎重に登る。
初めての雪山本ちゃんリードである。
4P:Gramps:Aカンテ途中よりナイフエッジを通過してBカンテ取り付きまで。

5P:牧師:Bカンテの途中細かくビビリが入るところ。
右に少しまわりこみ登る。牧師さん、よう登った。

初めての雪山登攀・牧師さん
6P:Nak岡、Gramps:5pよりそのままツルベで雪壁をCカンテ取り付き手前(コル)まで進む。

ナイフリッジをフォローするGramps
7P:牧師:ここも1ヶ所右へ移動して登るところが難しい。牧師ここもフリーで通過。
8P:Gramps:ガリーをダブルアックスを使ったりして
40m一杯登ってしまったためビレーポイントに苦労する。
9P:Nak岡:ガリー上半部15m。
10P:Nak岡:45m一杯でツルム頂上付近に。
最後の乗っ越しはA0で。
そのあとコルへの懸垂地点を探すのに苦労したがクライムダウンしたところで発見。
このときNak君シュテヒトを落としたが幸いにもコルで止まった。
コルで20分ほど休憩(ビバークできる)
11P:Gramps:アブミを出して登るも1ヶ所の使用で済む。

休憩後の最初のピッチを登るGramps
12P:Nak岡:Dカンテ最後の乗っ越しは難しいところだが難なく抜ける。

実質最終ピッチのNak岡
13P:牧師:セカンドのGrampsユマールで雪稜を40m一杯伸ばす。
14P:コンテで縦走路に出るも昨日の降雪でルートがわからずまごつく。
縦走路らしいところを南稜に向かって4Pほどトラバースしてやっと縦走路の印しを発見。

登攀を終えて
暗くなり始めたのでビバーク地点を探しそこに設営。
設営間もなく風が強くなりコンロに火をつけ、
コーヒー、甘湯、生姜湯を飲んでもラーメンを食べても一向に温まらずにむしろ寒くなるばかり。
ゴアのテントの弱いところか?
23時就寝。Isi原君に借りてきた高級?羽毛シェラフはやはり温かい。
風によるパンパーンという音と同時に牧師がこちらに吹っ飛んできた感じ。
寝たと思ったら強風ですぐ起こされる。
5時ころようやく風は治まった。
5月1日:
起床5:30、出発8:45~ドーム北壁左ルート基部9:50、10:00~終了12:20~松涛岩トライ~就寝21:00
今日は昨日の疲れもありゆっくり朝食をとる。
北穂南稜少し手前にザックを置いてドーム北壁に向かう。
じゃんけんでトップを決めて登る。
1P:牧師:アブミの掛けかえで終了
2P:Gramps:同じくアブミの掛けかえで終了。

ドーム北壁2p目のGramps
3P:Nak岡:フリー。最後が少し力が入る。
3pとも雪が付いておらず物足りなかった。

ドーム北壁登攀を終えて
今日はこれでおしまいで北穂に向かう。
北穂のところはテントが張れず引き返して松涛岩のところに設営。
Nak岡君の「ここ登ろうか」の声で牧師、Grampsがトライ。
見事?松波岩完登。

松涛岩を完登し終えた牧師さん
5月2日:
起床2:30、出発6:15~涸沢8:00就寝21:00
Nak岡、牧師は涸沢岳西尾根経由で下山。
私は後発組との合流のため涸沢に下る。
天気がよければ奥穂経由で降りたかったが今にも降りそうだったので北穂沢を降りる。
11時過ぎに晴れだし残念であったがお蔭で一日のんびり出来た。(小屋泊)
5月3日:
起床4:30、出発5:30~屏風の頭8:00、9:10~涸沢10:50テンバ確保、出迎え12:30~合流13:30・・就寝19:00
今日は後発組みが登ってくる日であるが午後になるでしょう。
小屋で知り合ったRCC神奈川のS藤さんと2人で屏風の頭に出かける。
朝早く出たにも拘わらず20cmも潜る。気温が相当高そうだ。
最低こるまでのトラバースを少し間違えて上に行き過ぎてしまった。
何本も尾根を乗っ越して時間ばかり食っている感じ。8時頭に到着。
快晴。穂高の全景、槍も蝶も、常念も遠く富士山も見える最高の展望台である。
コーヒーを沸かしゆっくりすること1時間。
もっと居たかったが気温の上昇が気になり帰る事にする。
案の定帰りはぼそぼそと足をとられる。
あちこちから雪崩れの音が聞こえてくる。
亀裂の入ったところを急いでトラバース。
昨年雪崩れた北穂沢でも雪崩れ発生。14~5人が遭遇したが全員無事でよかった。
テンバを確保して11時、Is原君に無線コールしたらバッチリキャッチしてくれた。
13時出迎えに行く。全員揃ったところで乾杯!
夕食後明日のパーティー編成をして就寝。
5月4日:起床2:00・・・・・・・・就寝20:00
やっぱり雨。Kam田姉さん、Gramps以外はトレス発散のためか雪中行軍。
明日午前2時現在雨なら下山。
晴れなら登るということで就寝。
5月5日:
起床2:00、出発5:00~上高地10:00→松本12:25→京都17:50
残念ながら後発組は涸沢へ行って帰るだけに終わってしまった。
申し訳ないが私にとっては今回の山行は後半雨で残念であったが充実したものとなった。
先発組:Nak岡、牧師、Gramps。
後発組:Kam田姉さん、Mur崎、Mor田、Enoさん、O見、Isi原、Gramps。
以上
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