八ヶ岳・阿弥陀北稜、中山尾根、小同心クラック
期間:1989.03.17夜~03.21未明
3月17、18日:
阿弥陀北稜:
23:30大阪中郵前を出発。
名神に入って直ぐ10km渋滞に会う。
桜井まで1時間も掛かってしまった。
その後途中米原あたりで少し渋滞に会ったが後は順調に進め美濃戸口に。
小松山荘まで車で入りたかったが
美濃戸口を少し入ったところで雪のため進めず車を置いて歩く。
昨夜は雪混じりの天気であったが今朝は快晴である。
小松山荘で豚汁をご馳走になって朝食のおにぎりを食べる。
今回は南沢を抜けて行者小屋に。
設営を終えて阿弥陀北稜へ向かう。
中岳沢を1/3位詰めて右の尾根に取り付く。
ガイドブックには尾根のコブを目指して登れと記してあるが
10数名のグループが先行していたので他の2人パーティーと森林限界少し手前から稜線に向かう。
膝までのラッセル。Na岡君のパワーは凄い。
先行パーティーは追い越せなかったので
岩壁部で時間待ち必至のため森林限界をでたところで休憩。
下部岩壁は雪で覆われてしまい所々にある木をつかんでの木登りである。
この後雪稜を少し登って上部壁に。
先行していた10数名パーティーがザイルを出して登り始めている。
Na岡君がその脇を登りはじめる。
ここは3人ともノーザイルで登り先行パーティーを追い越す。
2P目はザイルを出しNa岡、Higa、Grampsのオーダーで登る。
一ヶ所いやらしいところがあった。
この後雪稜を山頂までノーザイルで登る。
記念写真を撮って下山。
中岳沢を下りベースに。
天候に恵まれ幸い。
夕食は待望の焼肉。調子に乗って少し飲みすぎた。反省
3月19日:
中山尾根:
3時起床,5時出発。
昨夜の酒がまだ少し残っているがそんなことは口に出せない。
ヘッドランプの光を頼りに中山乗越へ。
ここから右に折れ尾根を登っていく。
出発前にワカンを持っていくか迷ったが持たずに出かける。
幸いトレースがついており楽をさせてもらいどんどん登って行く。
トレースがついていたので良かったもののトレースがなかったら大変だっただろうな。
樹林帯を抜けて下部岩壁に到着。
1P:正面で確保し、
登りは一旦右にトラバースして下り左に回りこんで登りはじめる。
トップNa岡は慎重且つ大胆な感じな登りである。
続いてHigaはユマーリング、ラストGramps。
登り始めたら右手が異常に冷たくなる。
指先がうまくつかえない。
それでも必死でビレ-をしてくれているNa岡君のところまで辿り着く。
右手指全体が冷たさを通り越し猛烈に痛い。
叩いたり、膚で温めたりしたらやっと痛みが和らぐ。
緊張のせいでピッケルを強く握り締めてその上雪面に接触させていたからだろうか。
この後雪稜を200mくらいをHigaノーザイル、Gramps・Na岡コンテで上部岸壁へ。
1P:Na岡、Gramps、Higaのオーダー。
Na岡、雪を掻き落としながら登っていく。
中間テラスまでは確保地点からは姿が見えないが、このテラスからはよく見えるようになる。
ハング気味のところでなかなか上に進まななくなった。
確保している手にも自然と力が入る。
Na岡君を注視しすぎて氷の欠片が飛んできたのも目に入らず顔に直撃を受けてしまう。
どうにか乗っ越して少したったらビレー解除の声。
Gramps続いてHigaと続く。
例の乗っ越しのところ越えられずアブミを出してのっこす。
Higaはすんなり乗っ越して来た。
どうも冷静さが足りなかったようだ。
2P:雪稜をHiga,Gramps先頭でスタッカット
第3の壁に。
3P:Na岡、Gramps、Higaのオーダ。
そのままやや右を登り始めたが難しそう。
右にトラバースしたが登れそうもなくHagaさんに左側を見てもらう。
どうもそれがルートのようだ。
岩というより氷壁を登り稜線向こうで確保。
4P:トップGramps、Higa,Na岡:
そのまま鶏冠を右に廻り込んでルンゼ状のところを40m一杯伸ばしてビレー。
そこから10mほどで日の岳頂上。
握手して縦走路を南下。
地蔵尾根を経てベースへ。疲れました。
今夜は豚汁風の南北汁とか。
今夜は酒は控えめにして(3人でポケット瓶1本)
7時30分就寝
3月20日:
小同心クラックルート:
2時起床予定が20分寝過ごす。5時10分出発。
中山乗っ越しからどんどん下って赤岳鉱泉小屋を通過して大同心沢を遡って途中より大同心稜へ。
Higaさんの一声「尾根こんなに広かったかな」で再び沢に戻る。
トレールがついているため何の迷いもなくどんどん沢を詰める。
段々とルートが違うんじゃないかとそれぞれが思い始める。
その頃にはもう大同心大滝に突き当たってしまった。
トレールはこの氷漠登りのものであった。
仕方がないのでこの滝の手前200mのところを小同心稜を登って小同心に向かうことにする。
ここからはラッセル。
急登はしんどい交替しながら進む。
樹林帯を抜けたあたりから時おり猛烈な地吹雪が襲ってくる。
顔が痛い。
小同心手前の岩峰をトラバースする頃には吹雪の中にいるかと勘違いするほど強烈に襲ってくる。
小同心取り付きについた頃にはもう体力の半分は消耗した感じ。
1PGramps:Higa,Na岡。
手ごろなホールドをつかんで左上後少し直上したところでビレー。
2PNa岡:Gramps,Higa。
ザイルがおかしくなってしまったのでラストのNa岡君にそのままトップで登ってもらう。
チムニー登りだが余りハーケンがなさそうだ。
テラスからの眺めは抜群。
3PGramps:Na岡,Higa。
続いてチムニーのぼり。
テラスから大同心を登っている人がよく見える。
4PGramps:Haiga,Naka。
ここから左右に分かれているが左を登る。
このピッチ出だしが登りにくそうだが、
登ってみるとそうでもない。
その後は氷が一杯張り付いておりホールド探しに苦労する。
上部肩に出て終了。
ここから横岳までの登りに結構苦労する。
横岳から地蔵尾根までの長かったこと。バテバテになる。
これがバテというものか初めての経験である。
地蔵尾根の下りはバテた身体とは関係なく楽に降りれた。
ベースに戻り少し休憩してからテントを撤収して南沢大滝手前の小滝へ急ぐ。
ここでアイスクライミングを少ししたが、
興奮するほど面白いものではない。
夕食は小松山荘で。少々のみ過ぎたところではない。
メロメロのなってしまった。
しかし今回の山行は充実していた。
(注 Higa,Na岡両氏は当時ぽっぽ会会員です)
期間:1989.03.17夜~03.21未明
3月17、18日:
阿弥陀北稜:
23:30大阪中郵前を出発。
名神に入って直ぐ10km渋滞に会う。
桜井まで1時間も掛かってしまった。
その後途中米原あたりで少し渋滞に会ったが後は順調に進め美濃戸口に。
小松山荘まで車で入りたかったが
美濃戸口を少し入ったところで雪のため進めず車を置いて歩く。
昨夜は雪混じりの天気であったが今朝は快晴である。
小松山荘で豚汁をご馳走になって朝食のおにぎりを食べる。
今回は南沢を抜けて行者小屋に。
設営を終えて阿弥陀北稜へ向かう。
中岳沢を1/3位詰めて右の尾根に取り付く。
ガイドブックには尾根のコブを目指して登れと記してあるが
10数名のグループが先行していたので他の2人パーティーと森林限界少し手前から稜線に向かう。
膝までのラッセル。Na岡君のパワーは凄い。
先行パーティーは追い越せなかったので
岩壁部で時間待ち必至のため森林限界をでたところで休憩。
下部岩壁は雪で覆われてしまい所々にある木をつかんでの木登りである。
この後雪稜を少し登って上部壁に。
先行していた10数名パーティーがザイルを出して登り始めている。
Na岡君がその脇を登りはじめる。
ここは3人ともノーザイルで登り先行パーティーを追い越す。
2P目はザイルを出しNa岡、Higa、Grampsのオーダーで登る。
一ヶ所いやらしいところがあった。
この後雪稜を山頂までノーザイルで登る。
記念写真を撮って下山。
中岳沢を下りベースに。
天候に恵まれ幸い。
夕食は待望の焼肉。調子に乗って少し飲みすぎた。反省
3月19日:
中山尾根:
3時起床,5時出発。
昨夜の酒がまだ少し残っているがそんなことは口に出せない。
ヘッドランプの光を頼りに中山乗越へ。
ここから右に折れ尾根を登っていく。
出発前にワカンを持っていくか迷ったが持たずに出かける。
幸いトレースがついており楽をさせてもらいどんどん登って行く。
トレースがついていたので良かったもののトレースがなかったら大変だっただろうな。
樹林帯を抜けて下部岩壁に到着。
1P:正面で確保し、
登りは一旦右にトラバースして下り左に回りこんで登りはじめる。
トップNa岡は慎重且つ大胆な感じな登りである。
続いてHigaはユマーリング、ラストGramps。
登り始めたら右手が異常に冷たくなる。
指先がうまくつかえない。
それでも必死でビレ-をしてくれているNa岡君のところまで辿り着く。
右手指全体が冷たさを通り越し猛烈に痛い。
叩いたり、膚で温めたりしたらやっと痛みが和らぐ。
緊張のせいでピッケルを強く握り締めてその上雪面に接触させていたからだろうか。
この後雪稜を200mくらいをHigaノーザイル、Gramps・Na岡コンテで上部岸壁へ。
1P:Na岡、Gramps、Higaのオーダー。
Na岡、雪を掻き落としながら登っていく。
中間テラスまでは確保地点からは姿が見えないが、このテラスからはよく見えるようになる。
ハング気味のところでなかなか上に進まななくなった。
確保している手にも自然と力が入る。
Na岡君を注視しすぎて氷の欠片が飛んできたのも目に入らず顔に直撃を受けてしまう。
どうにか乗っ越して少したったらビレー解除の声。
Gramps続いてHigaと続く。
例の乗っ越しのところ越えられずアブミを出してのっこす。
Higaはすんなり乗っ越して来た。
どうも冷静さが足りなかったようだ。
2P:雪稜をHiga,Gramps先頭でスタッカット
第3の壁に。
3P:Na岡、Gramps、Higaのオーダ。
そのままやや右を登り始めたが難しそう。
右にトラバースしたが登れそうもなくHagaさんに左側を見てもらう。
どうもそれがルートのようだ。
岩というより氷壁を登り稜線向こうで確保。
4P:トップGramps、Higa,Na岡:
そのまま鶏冠を右に廻り込んでルンゼ状のところを40m一杯伸ばしてビレー。
そこから10mほどで日の岳頂上。
握手して縦走路を南下。
地蔵尾根を経てベースへ。疲れました。
今夜は豚汁風の南北汁とか。
今夜は酒は控えめにして(3人でポケット瓶1本)
7時30分就寝
3月20日:
小同心クラックルート:
2時起床予定が20分寝過ごす。5時10分出発。
中山乗っ越しからどんどん下って赤岳鉱泉小屋を通過して大同心沢を遡って途中より大同心稜へ。
Higaさんの一声「尾根こんなに広かったかな」で再び沢に戻る。
トレールがついているため何の迷いもなくどんどん沢を詰める。
段々とルートが違うんじゃないかとそれぞれが思い始める。
その頃にはもう大同心大滝に突き当たってしまった。
トレールはこの氷漠登りのものであった。
仕方がないのでこの滝の手前200mのところを小同心稜を登って小同心に向かうことにする。
ここからはラッセル。
急登はしんどい交替しながら進む。
樹林帯を抜けたあたりから時おり猛烈な地吹雪が襲ってくる。
顔が痛い。
小同心手前の岩峰をトラバースする頃には吹雪の中にいるかと勘違いするほど強烈に襲ってくる。
小同心取り付きについた頃にはもう体力の半分は消耗した感じ。
1PGramps:Higa,Na岡。
手ごろなホールドをつかんで左上後少し直上したところでビレー。
2PNa岡:Gramps,Higa。
ザイルがおかしくなってしまったのでラストのNa岡君にそのままトップで登ってもらう。
チムニー登りだが余りハーケンがなさそうだ。
テラスからの眺めは抜群。
3PGramps:Na岡,Higa。
続いてチムニーのぼり。
テラスから大同心を登っている人がよく見える。
4PGramps:Haiga,Naka。
ここから左右に分かれているが左を登る。
このピッチ出だしが登りにくそうだが、
登ってみるとそうでもない。
その後は氷が一杯張り付いておりホールド探しに苦労する。
上部肩に出て終了。
ここから横岳までの登りに結構苦労する。
横岳から地蔵尾根までの長かったこと。バテバテになる。
これがバテというものか初めての経験である。
地蔵尾根の下りはバテた身体とは関係なく楽に降りれた。
ベースに戻り少し休憩してからテントを撤収して南沢大滝手前の小滝へ急ぐ。
ここでアイスクライミングを少ししたが、
興奮するほど面白いものではない。
夕食は小松山荘で。少々のみ過ぎたところではない。
メロメロのなってしまった。
しかし今回の山行は充実していた。
(注 Higa,Na岡両氏は当時ぽっぽ会会員です)
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