大阪ぽっぽ会 会員・ Grampsの山行

岩登り、縦走を中心に春夏秋冬楽しんでいます。

北ア・剣岳(八つ峰Cフェース~縦走~欅平)

期間:1987.8.7夜~8.11   Gramps
八つ峰Cフェース~上半縦走~三の窓~小窓~池の平~阿曾原~欅平

8月8日:
室堂へのバスは便利さが受けてか満席でかなり窮屈である。
それでも睡眠は何とか取れた。バスでの室堂入りは初めてである。

従来のように室堂まで乗り換え、乗り換えて来ずに直接乗り込んできたため高い所にいる感覚が無い。
ホテルを出たところで朝食を取る。

いつものパターンでおにぎりをほおばる。
いつも美味しく食べられるおにぎりが今朝は元気良く食べられずに残してしまう。
やはり寝不足なのかな?

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大日岳をバックに(雷鳥沢)8:20

少し肌寒い中を雷鳥沢へ。いつか来た時よりも長く感じる。
雷鳥沢で一休み、記念写真を撮り、沢水に手を浸してみると手が切れそうなほど冷たい。

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バックは大日岳

これから剣御前小屋までの登りである。

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雷鳥坂より浄土山を望む8:48

周囲の景色を眺めながらゆっくりゆっくり登り1時間半で剣御前小屋に到着。
剣岳をバックに1枚撮り、

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剣御前小屋前・剣をバックに
隣のおじさんは誰だったかな?

10分休憩後長次郎出合までを下る。
途中の剣沢のキャンプ地には50張りほどテントがあった。

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剣沢への途

剣沢雪渓への下り口が分からず、まごついた末やっと発見。
登山道を忠実に下っていたら、後から来たパーティーが雪渓を軽快に下っていく。

我われもアイゼンを付けて雪渓を下ることにする。
長次郎出合にキャンプ地から2時間くらいで到着。

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剣沢・長次郎出合にて(54歳)12:40

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長次郎出合(43歳)

大休止の後、長次郎雪渓を詰める。

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長次郎雪渓より出合を望む

途中で2回、休憩をとる。なかなかしんどい登りである。
20数キロ背負って歩くのが初めてのA部さんも相当しんどそうである。

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中間部より熊の岩方面を望む

15:30熊の岩に到着してほっとする。

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八つ峰上半部

ここに兵庫のパーティーが2張り設営しているだけで空いている。
幕営後、夕食を取り明日の天気を期待して就寝。

大阪22:00→室堂7:00、7:35~雷鳥沢8:15、8:25~剣御前小屋9:55、10:05~剣沢テント地10:40~長次郎出合12:40~熊の岩15:30・就寝19:00

8月9日:
3時起床。雨が降っている。前線が日本海より南下してきているようだ。
食事をして寝て待つ。5時頃、Cフェース基部に5人パーティーと2人パーティーが到着している。

彼らも様子を見ながら待機している。
Ⅵ峰には彼ら以外は誰もいない。

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熊の岩BCにて

雨もあがり、ガスも時折り切れるので登攀具をつけ用意し始めるも、再び小雨が降り出す。
諦めてテントの中でふて腐っている。

9時過ぎ2人パーティーが登りはじめるのが見える。
5人パーティーは依然取り付きで待機している。ガスが出たり、消えたりの中を2人パーティーは遂に登ってしまう。

5人パーティーは諦めて下山開始。

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Cフェース・剣稜会ルート・5ピッチ目

9時30分雲も薄くなってきたので、我われもCフェース1本のみ登ることに決めて行動を開始。

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同5ピッチ目

Cフェース:剣稜会ルート:
1P目:トップ:Ⅱ級程度の緩い傾斜をハイマツ帯まで登る。
2P目:セカンド: 少し傾斜がきつくなり岩登りの感じが出てくる。
3P目:トップ:高度感が出てきて快適である。
4P目:セカンド:広いテラスまで確実に登る。このテラスからDフェースが良く見える。富山大ルートはどれかを探す。
5P目:トップ:リッジを登りナイフエッジをトラバースして再びリッジを登る。このリッジのワンポイントが核心で面白い。

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剣稜会5ピッチ目(5代前の白ヘルメット)

6P目:セカンド:緩傾斜を20m登って終了。

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Ⅴ峰・剣本峰をバックに

今日の計画はこの他にDフェース富山大ルートも登ることになっていたが天候の関係上この1本になった。
ゆっくり登り楽しめた。

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八つ峰・Ⅵ峰よりⅤ峰~Ⅰ峰を望む
 
Ⅴ・Ⅵのコルへの下降路も結構厳しい。

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剣本峰をバックに

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Cフェース・ピークより剣本峰を望む12:38

ⅤⅥのコルからの下りもザレており嫌な下りである。
一度スリップして向う脛を打つ。

ⅤⅥのコルを下りてきたら、朝撤退した5人パーティーがまた現れた。
彼らは一旦真砂沢のテン場に帰って、またやって来たとの事。なんとタフな連中なんだろう。

明日の行動を考えて19時就寝。

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熊の岩BCにて。八つ峰をバックに

起床3:00出発9:30~取り付き10:15~終了13:40~テン場14:30・就寝19:00

8月10日:
今日は八つ峰を縦走して三の窓に行き、チンネ登攀のスケジュールのため意気込んで2:30分起床。
天気快晴、出発は4:50分になってしまった。

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Dフェース頭より長次郎コル・池ノ谷乗越しを

ⅤⅥのコルでアイゼンを装着してみる。
ザレ場にアイゼンは快適に登れる事を発見。

昨日コルにいなかったのに、今朝は大量の虫の大群。
丁度、朝日が登るところである。

その朝日を背に受けながら重いザックを背負いながらⅥ峰の登りは辛い。

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Ⅶ峰より三の窓頭、八つ峰、クレオパトラニードルを

はるか先に槍の穂先が見えている。
Ⅵ峰からの先の道がわからず、うろうろしながら探す。

そのままⅦ峰に急降下で下りる道を発見し一安心。

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Ⅶ峰よりチンネ左稜線を

下りてすぐ登ったところがⅦ峰。ここで一休み。
ここから、チンネ、クレオパトラニードル、三の窓の頭、Ⅷ峰の頭が全望できる。

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クレオパトラニードル(Ⅶ、Ⅷ峰側より)

再びⅦ峰を少し下って、トラバースして再度下降する所で懸垂下降するためにザイルを出している時に、
A部さんの「アッ」と言う声に振り向くと黄色い塊が滑り落ちていく。
一瞬何か分からない。

「なんですか?」 「ツェルトです」。
止まってくれという祈りも聞き入れてくれず、雪渓をどんどん滑り落ちていき、三の窓雪渓に消えて行った。

瞬時、途方にくれる。この瞬間ビバーグを考えたが、この寒さでは無理。 
チンネ登攀はこの時点で見るだけに終わる。

今回の山行計画を変更しなくてはならなくなる。
今日のスケジュールは三の窓経由、仙人池までとする。

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チンネ左稜線(Ⅶ、Ⅷ峰側より)

ここからは2人の緊張の糸が切れ泣き言ばかり。
三の窓の頭で心機一転。

これからは一切繰言はいわないことにし、
池の谷ガリーの下りにかかる。

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チンネ・三の窓頭のコルより池ノ谷側を望む

さすが岩の殿堂、ただただ圧倒されるばかり。
この威圧的な岩の真っ只中にいる気持ちを見たことの無い人に伝えるにはとても無理である。

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ガスの中に浮かぶニードル(チンネ・三の窓頭のコルより)

このすごい興奮を皆にも味わって欲しい。
ガリーを少し下って三の窓へ、残念ながらガスが出始めてチンネもジャンダルムさえも見えない。

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ガスの切れ間に現れたクレオパトラニードル

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池の谷上部から見た小窓王 

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池ノ谷ガリーを下るA部さん

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三の窓より見たジャンダルム、三本クラック

時折り切れるガスの間から左稜線に2パーティー、中央ルンゼに1パーティー登っているのが見える。
残念だが登るのを諦めて小窓に向かう。

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チンネ左稜線
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小窓王西側の登り(三の窓より)

ガスが出始めたので昨年のパーティーの二の舞にならないように十分注意を払って進むことにする。
小窓の王の東側を抜けて1つ目のピークより右にトラバース気味に小窓に向かう。

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小窓の頭少し北より望んだ池の平山

大分疲れてきたので、予定の池の平山には行かずに小窓雪渓を下る。

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小窓雪渓

途中で池の平小屋への水平トラバース道の近道が分からなかったので、
北の俣出合まで下りて、そこから尾根道を登り返す。相当なロスタイムであるが仕方がない。

この尾根道の登りでA部さんが相当疲れてしまったので、
先に登って行ってザックを置いて、下ってA部さんのザックを担いで

また登り返しを繰り返しながら平の池に15:45分到着。

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平らの池(仙人峠方面を望む)

静かな美しい所である。テントが3張りあった。
池の平小屋で缶ビールレギュラー缶1本を2人で分け合って飲む。

うまい!もう1本飲みたいが今日の目的地までは、もうワンピッチ残っているので諦める。
静かな小屋である。

殆どの人がわれわれ同様次の仙人小屋に泊まってしまうとか。
ここで泊まってくれとお願いされたが、

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平の池(八つ峰方面を望む)

明日の行動を考えるとやはり仙人小屋まで行かなくてはならないのでと言って
申し訳ないが丁寧にお断りする。

池の平小屋を後にして30分、仙人峠手前で雷雨に遭い20分足止めを食う。
仙人小屋に18:00着。13時間10分の行動でした。風呂に入ってホッとする。ビールで乾杯!

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仙人小屋にて。乾杯!

起床2:30出発4:50~ⅤⅥのコル5:10、5:20~Dフェース頭6:10~Ⅶ峰6:35、6:50~ニードル8:00~チンネ、三の窓頭のコル9:00~三の窓10:00~小窓13:00?~小窓雪渓(北俣出合)15:00~平の池15:45~池の平小屋16:15、16:25~仙人小屋18:00

8月11日:
4:30起床。天気晴れ。

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朝日に浮かぶ八つ峰、チンネ、小窓王(お月様がきれいだった)

月をバックにした八峰が見える。

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仙人池に映える別山

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仙人池に映る八つ峰。ジャンダルム、三の窓、小窓王(月が池にも映っている)

年に2回位しかこの情景はないとか。美しい。
やがて八峰、チンネが朝の光に照らされ始める。シャッターを切る。

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この素晴らしい光景を見た後に朝食。
小屋にある双眼鏡をお借りしてチンネを見るとdクラックをもう登っているパーティーが見える。

月光の下3時くらいから登りはじめたのであろうか?それにしても登りたかった。
小屋泊まりの殆どの人はもう出発してしまった。我われもそろそろ出発することにする。

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仙人湯温泉

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小屋からどんどん下り仙人湯温泉に8:10分到着。
仙人湯から阿曾原、阿曾原から欅平までは、

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水平道(志合谷トンネル出口)

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水平道

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水平道~

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前方は奥鐘山西壁(水平道)

途中水平道、奥鐘山西壁と変化は少しあったがとにかく長かった。

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奥鐘山西壁

疲れました。富山で風呂に入り夜行で帰阪。
チンネ登れなかったけど、終わってみればこれも楽しかったですね。A部さんお疲れ様でした。

起床4:30出発7:00~仙人湯温泉8:10、8:25~阿曾原10:10、10:40~欅平16:00、17:18→宇奈月18:38、19:21→富山20:31、23:35→京都4:30

同行者:A部さん(ぽっぽ会OB) '08年8月現在75歳



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